
18禁エロゲー雑誌の老舗「BugBug」が、今月発売された8月号で発行元をマガジン・マガジンから富士美出版へと移籍することを発表した。
「BugBug」は、1992年10月に創刊された18禁エロゲー雑誌の老舗だ。当初の発行元サン出版だったが、途中からグループ会社のマガジン・マガジンに移行し、月刊ペースの本誌及びDVD付きの増刊号などを発行してきた。
今回の移籍は、編集部員も全員会社を移るという大がかりなものだ。編集長のマス大澤氏は、自身の担当するエロマンガ紹介ページの中で「理由はいわゆる大人の事情ってやつで」と記している。
これまで数々の出版社や雑誌編集部の興亡を見てきた身としては、「大人の事情」と書かれると色々な妄想が沸いてしまうもの。その大人の事情とやらを解明するべく、マス大澤氏を直撃した。
「今回、マガジン・マガジンの社長の交代など、会社の組織変更にあたり18禁の商品を廃止することになったんです(編注:成年マーク付きを廃止するが、小口シール止め誌やBLは継続)。とはいえ『BugBug』が売れていないわけではありません。ですので、経営陣と一緒に受け入れ先を探して、富士美出版に編集部ごと移籍することになったんです」(「BugBug」編集長・マス大澤氏)
富士美出版は、言わずと知れた成人向けマンガ誌「ペンギンクラブ」などを発行する辰巳出版グループに属する出版社だ。会社の規模はマガジン・マガジンよりも大きい。そこで考えられるのは、今後の増刊枠の発行ペースなどの拡大だ。
「しばらくは従来通りですが、今後は増刊を拡大したり、さまざまな可能性があると思っています」(同)
従来より雑誌単体でも実用性が高いのが「BugBug」誌面の特徴であったが、それを維持しつつクオリティをアップしていくことになりそうだ。なお、マス大澤氏が会社を移籍して驚いたのは、徹夜を戒められるなど社員の健康管理に気を遣ってくれることなんだとか。
「すごいホワイトな会社に移ったと感動しています。むしろ、今までのようにダラダラと徹夜をしないで、ちゃんと仕事ができるのか心配です。そのためにも、ライターのみなさんには、ちゃんと締切を守って原稿を書いてもらいたいと思っています」(同)
心機一転の次号は8月2日発売。その前にライター陣が心を入れ替えて、締切を守ることができるのか? 注目である。
(取材・文/昼間 たかし)