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『ハイスコアガール』5巻(スクウェア・エニックス)

 8月の忘れられないニュースといえば、押切蓮介氏の人気マンガ『ハイスコアガール』がゲームキャラクターを無断使用したとして、SNKプレイモアが出版元であるスクウェア・エニックスを刑事告訴した問題だ。

 一連の流れはこうだ。8月5日、スクウェア・エニックスが著作権法違法の疑いで大阪府警の家宅捜索を受け、翌日6日にSNKプレイモアがこの件についての文書を発表。文書によるとスクウェア・エニックスに対して、電子書籍・単行本・月刊誌などの即時販売停止を再三申し入れたが「なんら誠意ある対応がなされなかった」として、刑事告訴に踏み切ったとしている。一方、スクウェア・エニックスも同日文書を発表しているが、捜査に全面的に協力するとした上で、本件に関する詳細の公表は控えるとコメントした。

 その後の進捗については双方とも発表しておらず、現在は続報が待たれる状態だ。

 今回、『ハイスコアガール』の件についてスクウェア・エニックスは著作権法に触れているのか検証すべく、著作権のエキスパートである骨董通り法律事務所の福井健策弁護士にお話をうかがった。

 現在、同人誌などの二次創作やゲームプレイ動画の実況など、著作権の“グレーゾーン”が広がりを見せる中、SNKプレイモアが刑事告訴に踏み切った理由や、法律的な問題点、そして裁判の行方について、弁護士から見たこの騒動はどのようなものなのだろうか。

――『ハイスコアガール』には、SNKプレイモア作品のロゴやゲーム画面、キャラクターが使用されています。これは告訴の趣旨である著作権法第119条1項の、どの部分に該当するのでしょうか?

福井健策弁護士(以下、福井氏) 119条1項の「著作権…を侵害した者」に該当し、そこから21条の「複製」、27条の「翻案」が問題になります。また、今回の告訴状を拝見していないのですが、通常は、これに加えて119条2項1号の「著作者人格権…を侵害した者」から、19条の「氏名表示権」と20条1項の「同一性保持権」が問題になります。このあたりが、盗作、あるいは限度を超えた引用の論争で問題になる条文です。

――今回の件は、批評や引用、パロディの範疇には含まれないのでしょうか?

福井氏 まず、法律を離れた一般用語としての“批評、引用、パロディ”の範疇に含まれるかというと、含まれる可能性はあると思います。ただ、問題はそれが著作権法的に許されるかということで、次のような順番で考えていきます。

(1)「複製」「翻案」に当たるか
「ドラえもんっぽいな?」くらいの、似ても似つかないものは「複製」にも「翻案」にも当たりませんので、この段階ではじかれてしまいます。そして、「複製」か「翻案」に当たると次の段階に進み、そこで初めて著作者人格権も問題になります。

(2)その「複製」「翻案」を許すような例外規定はあるか
ここで、例えば32条の「引用」に当たるかなどを検討します。また、「パロディ」については条文がありませんが、それならすべて許されないのか、乱暴に言えば「超法規的」に許される領域がないのかということがよく議論されます。

――単行本の最後には「SPECIAL THANKS」や(C)の表記をし、SNKプレイモアなどの社名を記載したことが問題視されていますが、問題になる可能性がある点はありますか?

福井氏 各ゲームがSNKプレイモアの著作物であることは事実でしょうから、そう表記しても著作権法上の問題は少ないでしょう。著作権以外だと、商標権侵害、業務妨害、名誉毀損などが、プラスアルファのクレーム理由として、一応考えられます。しかし、私の感覚を言うと、結論として法的な問題まではないと思います。

スクウェア・エニックスの著作権侵害の可能性はグレー!? 『ハイスコアガール』問題について福井健策弁護士に話をうかがってみたのページです。おたぽるは、アクションゲームマンガ&ラノベ出版業界事情ハイスコアガール福井健策の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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