KADOKAWA アスキー・メディアワークスの発行する18禁ゲーム雑誌「DENGEKI HIME」が2014年度中に休刊した。

「DENGEKI HIME」は、1997年にゲーム雑誌「電撃王」の増刊枠「電撃姫」として発刊。その後、月刊ペースとなり、2007年からは「DENGEKI HIME」としてリニューアルされ、発行されてきた。 

 18禁ゲーム業界に詳しい関係者によれば、休刊は「販売不振」と「社内整理」の2つの理由によるものだという。

 右肩下がりの話ばかりが聞かれる18禁ゲーム業界だが、関連産業である18禁ゲーム雑誌はさらなる苦境が続いてきた。史上初の18禁ゲーム専門誌だった「パソコンパラダイス」(サンデー社)は2013年11月の発行をもって雑誌としては休刊(2014年6月にムック扱いで復活)。

現在、18禁ゲーム雑誌は、オタク向けに特化した「TECH GIAN」(KADOKAWA エンターブレイン)とグラビア的志向の「BugBug」(富士美出版)の二強となっている。そこに「メガストア」(コアマガジン)「DENGEKI HIME」などが続く形になっていた。

2014年に入ってからは、「BugBug」が元々発行していたサン出版の方針変更により編集部ごと富士美出版へ移籍するといった動きも見られた。いずれにしても、今後も業界自体の縮小が止まらないことについては衆目の一致するところだろう。

 KADOKAWAのグループ内では、2014年10月1日の株式会社KADOKAWA・DWANGOの設立を契機に、重複する部署の整理統合を進めていたが、18禁ゲーム雑誌についても、売り上げの良い「TECH GIAN」のみを残す形となった。

 ただし、18禁ゲーム雑誌が冬の時代である以上、トップの地位にある「TECH GIAN」も順風満帆というわけではない。また、株式会社KADOKAWA・DWANGOの設立によって、エンターブレインは現在の千代田区三番町から銀座への移転も決まっている。現在の社屋も周囲に店もない都心の陸の孤島にあるわけだが、今回の東銀座への移転について同社社員からは「またオタクから遠いところへ……」といった声も聞こえてくる。

 年々と規制が厳しくなり、新業界からも次々と新しい風が吹き始め、流行りを変えながら時代も変わっていくのは、避けようがない事実であり、そこをどのようにして乗り越えていくのかというのが古い業界が新しい時代を生き続けるカギとなる。

 いずれにしても、いよいよ18禁ゲーム雑誌はどこが最後まで生き残るかの決戦が始まったようだ。