
なぜ、今まで誰も到達しなかったのであろう、オンリーワンの作風。それが、この『黒魔女の恍惚』です。
聖騎士ロラン率いる冒険者4人は、最高難度・S級クエスト『魔女の討伐』へと向かう
その強さから『ロードランドの勇者』と称される彼らにとってこれは
十分、達成可能なクエストの…ハズだった…
天魔波旬・黒魔女の居城にて…4人を暗黒に染め上げる欲望の宴が、今行われる…
S級冒険者たちの一行が、黒魔女に捉えられて始まる淫猥と恥辱に満ちた宴。それが、この作品のすべてです。
描かれるプレイもさることながら、作品を魅せるための演出が光っています。
まず、敵キャラである黒魔女が、単なる黒魔女じゃない。すげえ、エロいだけじゃなくエロカッコイイ悪なのです。たいていのマゾなら、こんなんが目の前に来たらすぐに土下座して、手下にしてもらうんじゃないでしょうか。
対する主人公側は、聖騎士と白巫女という、スタンダードなヒーローとヒロイン。それに、ちょっと小生意気な花の精霊と、気は優しくて力持ち重戦士の男2×女2構成。魔女を倒すというS級クエストを完遂して、将来を誓い合うことを夢見ていたりとか意識高いリア充感が、妙にムカつきます。こんなのを対峙してくれる黒魔女様は、とても有り難い存在ではありませんか。
その黒魔女の強さも本物。プロローグを描き、乗り込んだ途端に敗北。そのまま悲惨な凌辱が幕を開けるのですから。
その凌辱も単なる凌辱ではありません。完全に悪堕ちさせるためのプレイ。文字のフォントや配置などにも、こだわりが感じられます。
その勢いは、いわば山口貴由のマンガにおけるバトルのノリ!! 悪堕ちのための淫猥なプレイのハズなんですが、単なる性的興奮ではない熱さがあるのです。
この独特の熱さ。そして、どう抗っても絶対に叶わない黒魔女に屈服するしかないというストーリー展開。それが大いにウケたのか、当初は予定になかった続編が制作されたということだそう。
とてつもなく強大なものに屈服させられるという悲惨。それに興奮する人が、もっと増えて欲しいと思う、今日この頃です。
(文=昼間 たかし)
『黒魔女の恍惚』
ページ数:96ページ
サークル:pinkjoe