みなとそふとの大ヒットエロゲーのコミカライズである『真剣で私に恋しなさい! after party!!』や、ライトノベル『レベル0で最強の合気道家、いざ、異世界へ参る!』や『幼なじみと妹が俺の妄想で邪気眼デイドリーム』のイラストなどを手掛けていた多門結之が、初のエロマンガの単行本をリリースした。『絶対きみとセックスするから。』である。
新旧織り交ぜた短編集となった今作は、本編11作品収録というだけでもかなりボリューミーなのだが、「電子特装版」であればさらに単行本未収録の「ギャルの恩返し」、「にぃやの星」と初公開作品「恋は秘めるもの」の3作品が収録され全14話になるという徳大サービスとなっている。
DMMでのセールスもかなり好調だという。さっそくレビューしてみよう。
まず、巻頭作品である『前髪の下の素顔』であるが、これは一見おとなしそうな文学好きな女性とエッチな関係になってしまったバイト君の話だ。バイト君は彼女と正式なお付き合いをしたいのに、肉体関係が先になってしまったことで悩んでいる。彼女の挑発的な部屋着や精子をすっかからんにさせられるほど濃厚なエッチに思考停止され、セフレ的な関係からいまいち前に進めないのだ。
おとなしそうな女性がわずかに見せるエッチなサインやいじらしさが股間に沁みる作品で、巻頭作品から抜かずにはいられない1本となっている。
二話目の『そしてエロになる』は、まるで2013年公開の日本映画『そして父になる』みたいなタイトルだが、純情な姉妹と幼なじみのお兄ちゃんがエッチな関係となっていく親子丼ならぬ“姉妹丼”の話だ。まずお兄ちゃんと姉が肉体関係に溺れていくのだが、その後にツンデレ妹もお兄ちゃんと関係を持つようになり、ちょっとしたNTRの雰囲気もある。小生意気な娘をチンポで懐柔する快感がたまならい1本だ。
三話目の『甘嫁ちゃんす!』は近所に住むお姉さんとその友人の息子がエッチな関係になる物語だが、年上のお姉さんが童貞を奪いにいくドSさの中に、純愛で萌えさを感じさせるところが良い。オチもクスッと笑える。
四話目の『砂漠に咲く花』は褐色肌の外人メイドがエッチなご奉仕をしてくれる物語だ。メイドとの関係なので、ときには乱暴に扱い、性奴隷する様がたまらない作品である。
五話目の『女の子ゆうえんち』は、学園に秘密裏に存在する売春組織にメスを入れようと乗り込んだ風紀委員が、逆に骨抜きにされるという物語だ。ドMからドS、萌えと様々なキャラクターの酒池肉林としたハーレムを楽しめる。
他にもエロすぎる魅力的な物語が続いているのでが、全話に共通しているのは“純愛”だ。エロマンガである以上、その愛に偏りがあるものの、全物語がエロゲーでいうところの純愛ゲーであることには変わりない。一度知ってしまったエッチの快感、ようやくたどり着いた肉体関係を二度と離さんとする愛の射精が飛び散る全14話だ。
新旧入り混じっているので、後半になると少々作画にバラつきがあるものの、一貫してていねいで、多門結之はおっぱいの張りや、肉体の柔らかさを描くのに長けている。14話の徳大ボリュームなので、必ず読者の好みにあった抜きポイントが存在するであろう。
ちなみに筆者の好みは『ふたりだけの時間』だ。一見すると清楚な女の子が実はエッチだったという物語なのだが、願わくば作中と同じく映画館のトイレでこっそりエッチにを楽しんでみたいものだ。
(文=穴リスト猫)
【ダウンロードはこちらから!】
『絶対きみとセックスするから。電子特装版』
ページ数:327ページ
筆者:多門結之
出版社:GOT