
テクノロジーの発展に感謝感激だ。
あのSODが、秋葉原にオープンさせたVRコンテンツを楽しむことができるDVD個室鑑賞店「SODVR」。そこは、最先端の映像技術などという陳腐な言葉だけでは表現できない魅惑のスポットであった。
オープン当初は、平日日中でも数時間待ちが当たり前で、整理券まで出ていた「SODVR」。その人気に対応すべく、席数の増床も行われたという。
そんな店舗の取材にやってきたのは、平日の日中。そろそろ空いているかと思いきや、次から次へと店内に人が吸い込まれていく。
増床によって待ち時間は解消されたそうだが、客足は衰えておらず、二度三度と利用するリピーターが増えているという。

まず、同店の目玉は現在60本を揃え、増加中のVRコンテンツであることは間違いない。けれども、それ以上に驚いたのは、いわゆるビデオボックスとしての完成度の高さである。
利用できるコースの中にTENGAがついてくるものがあることからも、利用する人の目的に「実用」があるのは、まごうことなき事実。
その目的に対するホスピタリティが、ハイクオリティなのである。
ひとつが、壁の厚さである。ドアを閉めただけで、外からの音はほぼシャットアウト。ヘッドフォンが一体になったヘッドセットを装着すれば、完全に目の前に映る映像の世界にシンクロすることができるのだ。
これは、けっこう重要な部分。筆者も経験があるが、VRを楽しむときにヘッドセットを装着している姿は、第三者から見れば、けっこうおマヌケである。だが、壁の厚いしっかりとした個室のため、世界に没入することができる。突然、宅配便がピンポンを押したりもしない点で、自宅なんかよりもずっと安心感と非日常な感覚を味わえるのではなかろうか。

そして、リクライニングできるシートも、ちゃんと「実用」にベストなところに倒れてくれるから、もう目の前のVRワールド以外には何も考えなくてよいのである。
ちなみに、そうした防音性の高さや居心地のよさゆえに、仮眠利用の人気も高い様子である。
そんな魅惑の空間で、完全に男優気分で楽しむことができる「SODVR」。
中でも、VRの進化を感じるのが、次第に増加している3DVR技術を用いたコンテンツ。これは、ごく簡単にいえば従来のVRと異なる撮影機材を用いて、完全に立体視=擬似的な現実を映し出すコンテンツだ。
とりわけ、男性受け作品は、この新たな技術を余すことなく味わえるということで人気とのこと。ちなみに、どの作品が人気かと尋ねたところ『ED治療室 羽月希』を、オススメしてくれた。

リピーターの増加から見られるように、現在のVRは、ちょっとしたお試しから次の段階へと進んでいる様子。
「VRは、どんどん進化しています。ですから、ゲームなど何かでVRを体験した人にこそ来店してもらって、進化を感じてもらいたいですね」(同店の担当者)
日進月歩のVR技術。どんな夢のプレイもテクノロジーが叶えてくれる時代は近い。
(文=昼間たかし)