日本人からすると、何かと過度なスキンシップを行なう欧米の文化だが、それでもそこには越えてはならない一線がある。女性の裸体写真を使って、どんな人がボディのどの場所を触っているのかを示した“人体マップ”が話題だ。

■誰にどこを触られたのかを示す“人体マップ”
課題で「何かの地図を作りなさい」と言われたら、どんな地図を作るだろうか。アメリカのネブラスカ・ウェスレヤン大学芸術学部で出題されたこの課題に、19歳の女子学生は芸術性もメッセージ性も高い“人体マップ”を制作した。
モノクロ写真に写された全裸の女性のカラダに、色とりどりの“手形”が塗りつけられている。6種類ある色は、このカラダに触れた人間の属性で色分けされている。つまりどんな人間が、彼女のカラダのどの部分を触ったのかがわかるようになっているのだ。
6種類の色とその属性はそれぞれ、黒=母親、青=父親、緑=きょうだい、黄=友人、オレンジ=恋人、赤=NGな人、だ。問題となるのは一目瞭然で、赤の“NGな人”だろう。正確には「私がノーを言った人」ということだが、この赤の部分を見ると股間の部分や胸に集中しており、まさに痴漢の手の所業である。一方で親や友だちなどの身近な人物が触れる部分は肩や腕などに集中している。ちなみに写真の被写体は制作者ではなく、友人のものであるということだ。
この“人体マップ”を制作した彼女、エンマ・クレンザーは授業の課題として提出するのみならず、写真に撮ってすぐにSNSに投稿した。Twitterへの投稿では制作の動機も書き込んでいる。
「(授業の課題で)何かの地図を作ることが最初の動機だったけど、他者がカラダのどこを触るのか、そして(触られた本人に)その影響が(こうして思い出せるほど)長く続くことを表現しました」(エンマ・クレンザー)
「影響が長く続く」とはどういうことなのか? それは、親しい人物に触れられた“ぬくもり”が記憶に刻まれる一方で、痴漢やセクハラなどもまた忘れ難いトラウマになるということである。