「どうした?」
そこへ、飲み物を買いに行っていた友人が戻ってきて、オレの視線の先を追い、
「テーブルの上で何やってるんだ?」
「クソだよ」
「クソ?」
「ああ。灰皿の上に」
「嘘だろ、最悪だな」
眉をしかめた友人に、
「ちょっと、トイレ」
そう言い残して、オレはトイレへと急ぎ、個室に入ると、チャックが下ろしづらくなるほどに勃起したチンコをジーンズから引っ張り出して、今見てきたばかりの光景を思い出しながらオナニーをした。末広の白いお尻、そこから垂れ落ちるクソ、マゾ的な快感に浸り切った顔。
「うっ!」
腰から力が抜け落ちるぐらい大量に射精した。
あの日以来、オレは、美女のスカトロもののAVにのめり込むようになった。実際に自分でプレイしたいとも思った。けれど、その相手が見つからず、悶々とした性生活を送ってきた。あの日、末広とキスをしていた東京連合の男は、その後、敵対する半グレ集団のメンバーと間違えて一般人を殺してしまい、指名手配されたために、マスコミを通じて、顔写真が大々的に流された。オレは、その写真を見るたびに、末広のスカトロシーンが脳裏に蘇り、男に対する嫉妬心を募らせていた。
「ちょっと、どうして動かないの?」
全く再起動しようとしないエレベーターに苛立ち、ボタンを連打している末広のお尻を、オレはジッと眺めた。年甲斐もなくショートパンツを穿いているけれど、そこから伸びる脚は、10代の頃と変わらず、白くみずみずしい輝きを放っている。15年前に見たお尻が目の前にある、と考えた瞬間、オレのチンコはパブロフの犬のような条件反射で勃起した。ちょうどその瞬間、
「ねえ、何してるの?」
振り向きざまに、末広にそう言われ、オレはビクついてしまった。