イノグレインタビュー第2弾!

――新作が出れば旧作が動くというのは「シリーズものだから」という以上に、作品のクオリティが高いからということもあるんでしょうね。実際のところ、R-18を出すのと全年齢版を出すのと、ビジネス面ではどちらが成功したと言えますか。

スギ:ビジネスという意味では圧倒的にR-18です。フルプライス設定であっても、売れる本数が全然違います。『FLOWERS』がシリーズものではなく、単発で勝負するものだったら、今回の成功はなかったかもしれません。

――全年齢版で購入者層が広がり、なおかつミドルプライスで買いやすい価格設定であっても、R-18のほうが本数は出ると。

スギ:はい。フルプライスのR-18のほうが数字は上です。

――それは興味深い結果ですね。ちなみに全年齢とR-18の開発費の差って、どれくらいありましたか。

スギ:意外と思われるかもしれませんが、人件費以外はあまり差がありません。

――ミドルプライスの作品を開発しているのに、ですか。

スギ:はい。従来の猟奇ミステリー路線はどうしても時間がかなりかかるので、そこで開発費というか、人件費がかさむのですが、それ以外の開発費に関してはフルプライス作品とほとんど変わりません。というか敢えて変えませんでした。

――そうなると、同じ開発費をかけるのであれば、ビジネスだけを考えるとR-18で作ったほうがいいことになりますよね。全年齢は『FLOWERS』で最後になるのでしょうか。

スギ:いえ、そういうことではありません。おぼろげな新しい企画は頭の中にはあるので、『FLOWERS』以降、いつか挑戦する可能性はあります。いまのはあくまでビジネス面でR-18と比較した場合のお話ということです。

――ミドルプライスですし、開発費を下げることは考えなかったのですか。

スギ:もちろん声優のキャスティング費用や、楽曲数、CG枚数とか、コストを下げる方法はいくらでもあったと思いますし、普通に考えるならそのようにしてコストを抑えるのが妥当な判断だと思います。しかし、それをやってしまうと自分たちが理想としている作品にはならないし、クオリティの面でファンの皆さんのためにもなりません。

 キャストについては、いつもどおり作品性を重視しつつも、嗜好性の強いキャスティングにしております。特に楽曲についてはイノグレといば、MANYO氏といわれるほどに定着しておりますし、MANYO氏の楽曲に対する拘り、(生音による音作りなど)を生かさないという選択肢はありませんので音楽に関しての妥協も一切ありません。BGMだけでもシリーズ通して80曲以上作曲して頂いております。

 大切なのは、開発費をかけることが重要なのではなくて、費用を掛けないと上げられないクオリティがあることを理解することだと思います。

――そのこだわりはさすがですね。では改めてこれまでを振り返ってみて、「全年齢版ならでは」の苦労した面はありましたか。

スギ:表現の違いですね。肌の露出範囲とか、キスシーンとか、全年齢にはR-18以上に明確なNGがあるのです。春篇の開発時は、初めてということもあって、正直その辺りの事がまだよく分からなかったのです。規制の範囲ギリギリでもだめで、ある程度余裕を持たせることが必要だったりもするのです。だから、春篇の頃は開発末期にCGの修正でかなりバタつくこともありました。

――春篇から夏篇にかけても1年間が空きましたが、そのあたりが原因だったりしたのですか。

スギ:それは違います。春篇で学習したので、夏篇は純粋に作品のクオリティ向上のために空いた1年です。

――夏篇では推理パートの難易度が落ちたと思うのですが、これは意図的ですか。

スギ:難易度を落とそうと思ったわけではありません。ただ、春篇の推理パートは物語の中にヒントがなく、推理というよりも、ユーザーの知識に頼るようなクイズ形式になっていました。そこはユーザーの意見も多かった部分ですし、改善したほうが良いということになり、物語の中にヒントをきちんと置くようにしたのです。

――夏篇がカラッと爽やかな雰囲気で、終わりもハッピーエンドの雰囲気でしたが、あれは春篇のエンディングの影響でしょうか。

スギ:いえ。夏篇のエンディングは最初から決まっていました。そもそも夏篇に限らず、全てのエンディングは最初から決めてありました。

――春篇のエンディングは、強烈なエンディングで、バッドエンドと捉えるユーザーが多かったのではないかと予想されるのですが、実際どうでしたか。

スギ:おっしゃる通りです。「これで終わり!?」みたいな声は多くいただき、中にはかなり厳しい意見も頂きました。あの終わり方は次作への布石だったのですが、春篇は初回だったこともあってか、シリーズものと意識されなかったユーザーが多かったのだと思います。とはいえ、あの終わり方についてはあれで正解だったと、今でも思います(笑)

――秋篇のエンディングはユーザーによって捉え方が様々なようですね。

スギ:そうですね。ユーザーによってはメリーバッドエンドと表現されているようです。私もスタッフから聞いて初めてメリーバッドエンドという言葉を知りました。

 本当はもっとメリーバッドな展開も考えていたのですが、志水さん(※『FLOWERS』シリーズのシナリオ担当・志水はつみ氏)を説得できずにあきらめました(笑)

――そろそろ冬篇のお話を聞かせてもらえればと思うのですが、公式でも発表されている通り、夏・秋と登場しなかった匂坂マユリ(以下、マユリ)は登場するということでいいのですね。

スギ:間違いありません。100%登場します。これは各方面で言っておりますが、中々信じてもらえません(笑) 今までの“業”のせいでしょうか。………… 以下、後編に続く
(文/構成=Leoneko)

インタビュー後編では、いよいよ冬篇のお話と、近年の美少女ゲーム業界、そしてInnocent Greyの今後の展開について語ってもらいます。公開予定は7/20!! 乞うご期待!!!

【一般作品】FLOWERS −Le volume sur printemps− (春篇)

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