2015年3月31日、週刊アスキー編集部は、同誌の5月26日発売号をもって印刷版の発行を停止し、6月よりネットに完全移行する旨を発表した。

今や時代はネットを中心に本や雑誌のネット移行だけではなく、買い物や音楽などもネットを中心にビジネス展開をされているのが、もう当たり前の時代にはなったものの、当時にしてみれば非常に真新しく大きな挑戦であったことには間違いない。

カジノもオンラインカジノというネット上で楽しめるようになったし、そこパチスロと全く同じようなビデオスロットも楽しむことが可能だ。

「週刊アスキー」は、KADOKAWAのブランドカンパニーであるアスキー・メディアワークスから発売しているパソコン誌。その原型となった「EYE-COM」を含めれば、およそ25年も続いた老舗雑誌であり、2010年の「月刊ビジネスアスキー」(旧・月刊アスキー)休刊以降、旧アスキー社のファンにとっては旗艦誌ともいえる存在だっただけにショックは大きい。

 昨年末の同アスキー・メディアワークスのゲーム誌「DENGEKI HIME」の休刊、年明けに発表された300人の希望退職者募集と、昨年10月に行われたKADOKAWA・DWANGO設立に伴うKADOKAWAグループの再編は、ますます加速しているようだ。

 そんな中、ここ数カ月、早ければ夏を迎える前にさらに一誌、KADOKAWAグループの某ホビー誌が休刊するという話が浮上した。あえて誌名は秘すが、メディアミックスやタイアップ企画も多く、オタクであれば誰でも一度は目にしたことがあるであろう有名雑誌だ。

 休刊理由は、部数減少による赤字化。関係者によれば、休刊を知らされたのは数週間前で、すでに休刊予定号より先にあたる号の企画発注や手配を終えた後だったという。

「その雑誌は情報誌といえど、メーカーや版権元とコラボした連載モノやオリジナル商品の企画も多い。なのに事前に現場への相談や連絡もなく、突然上層部から×月号で休刊する、とだけ告げられたそうです。それも継続中の連載や企画の受け口も何ひとつ決まっていないようで、編集者は『メーカーや版権元に、いったいどんな顔をして報告にいけばいいのかわからない』とぼやいていました」(某ホビー誌関係者)

 同誌では、つい先日から大型の読者参加企画も発表しており、もし本当に夏前に休刊するのであれば、グループ全体としてメーカーや版権元だけでなく読者からの信頼を大きく損なうことになるだろう。ドワンゴとの経営統合以前より買収や合併を繰り返してきたKADOKAWAだけに、重複する業務や媒体の整理はやむをえないのかもしれない。

 だが今後どのような再編があるとしても、読者や関係各位との信頼を培ってきた現場で働く者たちが報われるような配慮を望みたい。株式会社KADOKAWA取締役会長である角川歴彦氏が唱える「クールジャパン」は、利益重視の「冷淡なオタク文化」でないと信じている。