『Fanaticism』(しおこんぶ)  あまりの濃さに、読むだけで疲労感が募ってしまう奇書 の画像1
『Fanaticism』(文苑堂)

 しおこんぶ氏は、まずペンネームが素晴らしい。なぜなら、Googleで「しおこんぶ」と検索して、上位に表示されるのは、Amazonやpixivなどの、しおこんぶ氏の情報。毎日美味しいしおこんぶも、エロマンガには敵わないのか。いや、極上のオカズという点では違いはないだろう。

 さて、ちょっとくだけた感じのペンネームのしおこんぶ氏であるが、作品の醸し出す淫靡さはピカイチである。ドM専門誌「Girls forM」(茜新社)の表紙なども手がけているけれど、ちょっと腹に何かを抱えているような陰のある女性を描くと、とんでもない技巧を放つのだから。

 そんな、しおこんぶ氏の2冊目の単行本『Fanaticism』(文苑堂)は、正統派かつダークサイドな館ものである。

 この作品集、とにかく上質である。何が上質かといえば、まず単行本を手に取ったときの満足度が違う。ずっしりと重いのはページが分厚いからだけではない。表紙のタイトルが箔押しなのである。しかも、タイトルの下に一点だけ紅い花びらを箔押しで散らしてある。この表紙の気合の入れようが、すでにしおこんぶ氏の作品力となっているのだ。

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 そのように表紙で圧倒させるだけあって、物語も上質である。単に実用性があるだとか、女の子が可愛いというわけではない。絵の実力に負けず劣らず物語も濃いのである。

 表題作「Fanaticism」は、さすが表題作に持ってくるだけの価値がある濃厚な中編だ。

 物語は、メイドがお坊ちゃまの性処理係にされるというウワサのある館で働くことになったメイド視点で描かれる。いきなりディープな展開になるかと思いきや、ヒロインは少々お気楽。そのような非日常を体験することに、何かの期待をもっていたかのようなモノローグが綴られるのである。

 この、ヒロインが決して可憐で清純を基調とするメイド像とは違う、一種の淫乱さを持っている点が、後の物語を盛り上げていくのだ。

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 話せばネタバレになってしまうが、物語の基本は「堕ち」である。それも、とことん上げておいてから堕とす展開になっているので、ダークサイドな雰囲気がいっそう強まるのである。そんな物語をじっくりと味あわせるために、パートカラーになっているのもポイント。ここまで手の込んだ単行本を制作してもらえるとは、いったいどれだけ実力を期待されているのだろうか。

 実際、モノクロでも濃厚な、しおこんぶ氏だがカラーを描かせるとより実力が光る作風。許される価格の範囲内で、カラーページを増量したいと考えるのは編集者なら当然か。

 そして、今回感じたのだが、しおこんぶ氏が描く構図でもっとも上手いのは、女の子が何かを見下すような目つきを下から見上げる構図。そして、何かを期待しつつも不安げな目をしているのを、斜め上から見下ろす構図。もう、こうしたコマだけで、どんぶりメシが何杯もいけそうだ。

 あまりに濃いので、読むとどっと疲れがでてしまう作品集。疲れてしまうのは、決して本の物理的な重量だけではない。きちんと読むのは、休日前にしておいたほうがよいだろうね。
(文=ピーラー・ホラ)

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