エロアニメで観るエロゲーの世界26

 ある結婚式場で、結婚相手とどこで知り合ったかアンケート取ったところ、「職場で出会った」のが40%近く、「友人の紹介」が20%近く、その次が「学校」そして「合コン」と続いたらしい。そして、第五位にランクインしたのが「インターネット上」という回答だった。パーセンテージにすると7%。インターネットというのはSNSだけではなく、出会い系サイトも含まれている。インターネットで知り合ったという人同士のトラブルから、行方不明や殺人事件にまで発展したニュースをよく見かけるが、それでもインターネットが出会いのツールのひとつであることは間違いがないようだ。

 さて、この連載でも以前『螺旋回廊』を紹介した。あれもインターネットを介した物語だったが、今回は『螺旋回廊』のような犯罪臭がするものではなく、もっとインターネットを介した純愛ベースの物語を紹介しよう。『School Days』で一躍有名になったオーバーフローからリリースされたエロゲーPureMail -ピュアメール-』だ。リリースは2000年。『螺旋回廊』と同じ年にリリースされている。2000年前後というのはやはりまだPCを使っての出会いなどは目新しく、物語にしやすかったのだろう。

 『PureMail -ピュアメール-』は攻略難易度がかなり高く、当時はかなり苦労したものだった。古いエロゲーは難易度が異常に高かったりするが、その中でも『PureMail -ピュアメール-』は高難易度だったのではないだろうか。ルートによって凌辱ゲーにも純愛ゲーにもなり、メインヒロインが別人と化すのが話題となった。

 かなり古い作品になるので、パッケージで購入するには中古市場を漁るしかないが、DMMにてダウンロード販売されている。興味のある方はぜひ挑戦してみてもらいたい。しかし、ゲームを攻略している時間がないユーザーにはエロアニメ版を観る手がある。GREEN BUNNYから全2話でリリースされているのだが、これがなかなかの名作なのだ。

 以下があらすじだ。

 過去に体験した家庭内暴力(DV)がトラウマになり、自分の殻に閉じこもっている主人公、緒方圭。そんな彼は、インターネット上で偽りの自分“A.W”を演じながらチャットやメールする毎日を送っていた。


 そんな毎日を送るうちに、EVEという少女とネット上で知り合い、惹かれていく。一方、現実の世界ではクラスで出会った独特のテンポで屈託なく話す愛らしい少女・奈川碧が気になっていた。あるとき、ひょんなことからEVEが奈川碧と発覚する。しかし、主人公は彼女に自分がA.Wだということは告げずにいた。

 ネットの中の碧は主人公の発言ひとつひとつに感動し、尊敬してくれた。「AWさんはすごい人だ」と。しかし、ネット上の人格は別であり、現実の自分はどうしようもない人間なのだと、主人公は現実と虚構の乖離に苦しむ。

 ある日、主人公に中学生の頃から密かに想いを寄せていた澤永美紀と奈川碧で夏祭りに行くことになった。しかし当日になって碧は行くのをキャンセルしてしまう。主人公は複雑な思いをしながらも、美紀とふたりだけで出かける。花火を観るために人ごみのない場所に移動した際、ふとしたことからDVのPTSDが発症し、錯乱した主人公は美紀を押し倒し、その場で乱暴してしまう。

 レイプされて失意の美紀、乱暴したことをひどく後悔する主人公、何も知らない碧。いびつな三角関係ができあがってしまう。そこに追い打ちをかけるように碧が転校してしまうことを主人公は知る。

 そんな中、妹の友人から一日だけ彼氏のふりをしてほしいという依頼を受ける。妹の友人もまた、主人公に密かに想いをよせていた。

 妹の友人と主人公が一緒にいるとき、運悪く碧に目撃されてしまう。ただただ気まずさだけが主人公を襲う。一体自分は何をしているのか、と。主人公は引っ越しまでに、碧に思いを告げることができるのか――。

 最初に断っておくが、エロアニメ版『ピュアメール』はストーリー重視作品だ。各巻でエッチシーンは2回ずつしかない。物語の演出上、必要なセックスシーンしか描いていないのであるが、これこそがこのエロアニメを名作にしている。

 主人公は幼いころのDVでトラウマを抱えながら生きているせいか、常に作中の雰囲気は重苦しい。夢で当時のことをフラッシュバックしてしまい、悪夢にうなされるほどだ。そのため現実世界で他人に上手く心を開くことができず、居場所を見つけたのがインターネット。そこでの自分は女性とも積極的に会話をすることができ、人生の相談相手まで務めてしまっている。しかし、現実と虚構のギャップにも主人公はひどく苦しんでいる。キーボードでそれらしい正論を語りながら、本当の自分はこんなんじゃない、最低なんだ、とネットの向こう側にいるEVE(碧)に気づいてもらおうとするかのように頭を抱えながらつぶやく。この現実と虚構の対比が非常に静かで淡々と、過不足なく描かれるので、主人公が苦しんでいる様が観ている側にすんなりとは受け止められるのだ。重苦しい雰囲気はエロアニメというよりも、私小説をアニメ化したような、自然さがある。

 さらに主人公は学校のサーバー管理をしている真東悠美にある弱みを握られていて脅されており、それを理由にオナペットのように扱われているのだが、エロゲー版で隠れキャラだった彼女をメインに昇格させたのも正解だ。抜きを考えると結城綾華を前に出したほうがいいのだろうが、主人公を性奴隷にする真東悠美が昇格したおかげで、さらに彼の葛藤や苦しみが伝わりやすい。彼女に命令されるがままにクンニし、挿入し、射精する主人公の虚無さといったらない。

 また、主人公と澤永美紀、そして奈川碧が彼を苦しめる絶妙な三角関係に描かれているのもすばらしい。主人公はPTSDの発症で突発的に澤永美紀をレイプしてしまうのだが、その事件を何も知らない奈川碧の純粋さ、レイプという最悪な行為で人を傷つける主人公の愚かさが思い切り強調される。

 これらは当然エロゲー版にも描かれている。しかし、エロアニメの限られた尺の中でテンポよくきれいに収めていて、話の展開に全く無理がないわけだからどんどんと物語に引き込まれてしまうのだ。

 エロゲー版でのトゥルールートではエッチシーンがなかったが、エロアニメ版ではしっかりと存在するし、エロゲー版で最強に嫌われていた妹・藍はエロアニメ版ではだいぶおとなしいというホッとする(?)改変もある。ある意味、内容が全くピュアではなく、重く暗い作品でタイトル詐欺な面はあるがが、オーバーフローの隠れた名作はエロアニメ版もと名作といえるに十分にふさわしい作品だ。とはいえ、型通りの純愛ゲーとは全く異なるので、エロアニメ版でも「それしか受けつけない!」という方はご注意を。
(文=穴リスト猫)

【視聴はこちらから!】
■『ピュアメール 第1話
■『ピュアメール 第2話
■『ピュアメール Complete Edition

PureMail -ピュアメール-

PureMail -ピュアメール-

School Days好きならぜひ!同じ時間軸の物語だよ。

タイトル詐欺な名作エロアニメ『ピュアメール』 School Daysのオーバーフローの歴史を知る上でも重要な作品!のページです。おたぽるは、アニメDMMGREEN BUNNYOVASchool Daysエロアニメエロアニメで観るエロゲーの世界エロゲーオーバーフロー凌辱ゲー純愛ゲー螺旋回廊の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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