『ふわとろ☆男の娘!』(パルコ長嶋) セックスを通じた救済をサラリと描く妙技が光る幸せ作品 の画像1
『ふわとろ☆男の娘!』(メディアックス)

 作者名で買って安心できる、パルコ長嶋『ふわとろ☆男の娘!』(メディアックス)。4冊目の単行本にして、いよいよ円熟味が出てきているのがスゴイ。

 男の娘のパンツのモッコリ具合だとか、本番シーンでのタマタマのキュンキュン具合だとか、演出面でも見るべきところの多いパルコ氏。そんな氏が描く作品で、もっとも評価すべきは、本番=作品におけるノルマシーンを経て、男の娘が自分の存在理由を知る展開が基本であること。

 だいたいの作品で、狂言回しでもある男性=主人公は「もう、男でも構わぬ」とセックスに至る。このジェンダーの境界が、可愛いという一点だけで、あっという間に乗り越えられてしまうスピード感は秀逸だ。うじうじと悩んだり、理屈をこねくり回したりするのではなく、大切なのは直感。一時の欲望ではなく直感である。それを信じた結果、双方が幸せになっているんだから、読んでいる側も幸せな気分で興奮できるではないか。いやいや、単に興奮しているだけではあるまい。きっと、こうした作品を通して、リアルにジェンダーを越境している人って増えているんだろうなあと、思う。

 そんな幸せ感を味わえる理由は、パルコ氏の描くヒロインたちが、なぜか微妙に不幸を抱えているからであろう。

 収録作「クリスマスのキセキ♪」のヒロインは、継母に命じられて夜の街で、ひとりサンタコスでクリスマスケーキを売らされているという、継子いじめ的要素を挿入する。

「男の娘が巫女でもいいじゃない!」では、一族の因習ゆえに、巫女役を余儀なくされる男の娘を描く。

「ボクらは一つ屋根の下で」のヒロインは、可愛いがゆえに、どこにいっても身体目当てに、言い寄られてしまう男の娘。

 はたまた「働く☆看護師さん」は、男性看護師では抵抗のある患者のために、男の娘看護師の導入実験が行われている病院が舞台と、これまた、男の娘という性が受け入れられているか否か微妙な社会を描いている。

 このように作品にミクロの視点とマクロの視点を行き来しながら、男の娘という存在を描くのがパルコ氏の作風。前述のように、どういう展開になろうとも、最終的には、セックスを通じて救いが差し伸べられる優しさは、心地よい。

 また、肝心のエロシーンの描き方を通じて、パルコ氏は相当、男の娘に通じている。最初から、エロフェロモンを出している男の娘も描いている一方で、エロシーンに突入してから、急に輪郭が柔らかくなったりもするのだ。

 要は、お互いの性的な興奮によって男の身体が、急激にメス化する現象をきちんと理解して描いているのである(何をいってるかわかんないなら、ニューハーフヘルスで、なるべく、身体が作りかけの子を指名してみるべし)。

 一連の作品に通底しているのは、自己肯定や欲望への忠実さが冷笑されがちな現代社会に対する密やかな反論。とろふわに見えて、パルコ氏の作品は、なかなか深い。
(文=ピーラー・ホラ)

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