加藤茶吉『娼年インモラル』女装していない女装少年を愛でることができるのか? の画像1
『娼年インモラル』(メディアックス)

 女装少年ジャンルでは、評価の高い加藤茶吉の新刊『娼年インモラル』(メディアックス)が、発売になった。

 本作は、表題作の「娼年インモラル」シリーズと、短編を収録した作品集である。加藤の描く女装少年ものは、わかりやすい実用性を重視してか、エロシーンがとにかく多い。だが、単にプレイの過激さに走るのではなく、ちゃんとストーリーで読者を興奮させようとしているため評価が高いのだと思っている。

 気がついたら、エロマンガ世界において“女装少年”ジャンルは、えらく進化をしている。単に可愛い女の子の絵を描いて、おちんちんをつけてみました……みたいなものではない。

 ちゃんと、女の子とは根本的に異なる可愛い女装少年とは何かを、多くの作者はきちんと理解して描いている。というよりも、その部分を理屈で理解するのではなく、情念で感じていなくては、読者の興奮を得ることなどできないのだ。

 さて、多くのページを割いて描かれる「娼年インモラル」シリーズであるが、実用性はいうまでもない。物語のヒロイン・香坂は男子校の生徒でありながらセーラー服で通学している。教師の頭髪検査がうるさいからなどと、おどけてはいるが、その実態はまさに「娼年」。とりわけ学年主任の渡辺とは深い関係である。

 おまけに、セーラー服で通学することを咎める体育教師は、渡辺の公認の下で身体を使って籠絡するのである。

 そんな香坂の淫乱そのものな生活を描きながらも、物語は深い。サッカー部に所属する先輩の高屋は放課後の校舎裏で「付き合いたい」と告白してくるのである。もちろん「俺男なんですけど」という香坂だが、先輩の答えは「香坂って可愛いから、そういうのは別かなあ」である。

 それに応じる香坂だが、その目的は渡辺たちに先輩を輪姦させて、新たにメスハマリする仲間をつくることにあったのだ……。こうして、理屈ではなく情念によって、ジェンダーの境界がどんどんと崩れ去っていくのが、本作の魅力である。

 むしろ、作者の加藤の描く物語からは、昨今、一般メディアも多く取り上げるLGBTの問題に、表面上だけ理解を示しているような態度を示す社会への嫌悪を感じる。それが際立つのは、新しく赴任したイケメン養護教諭が登場する第6話である。

 ここで、身体測定にやってきたセーラー服姿の香坂と養護教諭の間に、こんな会話が交わされる。

「あ、LGBT?」
「いえ、ただの趣味です」

 そのまま、セックスシーンも描かれるわけだが、この養護教諭は読者視点からしても、ウザイ。「俺ならメンタルケアもしてあげられるよ」とか「女装の理由を話してみろよ、俺なら力に力になってやれるぞ」と、ひたすら<理解がある俺はカッコイイ>という態度を取るのである。

 これ、昨今、メディアがLGBTを頻繁に取り上げるようになって「こういうヤツが増えたよな」という嫌な感じを存分に表現しているように思えてならない。

 そして、物語は「女装少年」を女装していなくても愛することができるのか? という問いを読者に突きつけてくるところまで、進展する。

 ひたすらにエロを描きながらも、もっと根源的なものを追及してくる加藤。恐るべき描き手であることは、間違いない。
(文=ピーラー・ホラ)

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