――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月"不健全図書"を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、"不健全図書"に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ"不健全図書"クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の不健全図書レビュー】『かべアナ』美少年・美青年総勢13人が目覚めるBLマンガ 卑わい感を売り物にしている!? の画像1
かべアナ(マガジン・マガジン)

 今年1月、東京都の不健全図書に指定されたのは、藍川いたる氏のBLマンガ『かべアナ』(マガジン・マガジン)。本作を出版するマガジン・マガジンは、14年2月には「性生活報告 177」3月号、同年10月に「コミックアムール No.274」、これまた同年11月に「BOY'S ピアス禁断」で東京都から"不健全図書指定"を受けるという豪気な出版社。これは、『かべアナ』もさぞ過激な作品に違いありません! それでは早速、青少年健全育成審議会の「自主規制団体からの聴き取り結果」と併せて、本作をレビューしていきましょう!

(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)



 まず本作のあらすじの解説から。主人公・藤木洋平は、売春クラブを経営しています。それも、ただの売春クラブではなく、男性同性愛=ゲイ専門。さらに、さまざまな手段で騙した哀れな美少年or美青年を、男性器とでん部だけが露出した形で壁に固定する(=「かべアナ」)という趣向まで。そもそも藤木がサディズムあふれる同性愛に目覚めたのは、少年の頃に父親と美少年のセックスシーンをのぞき見したのが発端だった。それを知った母親は、父親を殺して自殺。以来、同性愛に目覚めた藤木は弟の晃を監禁して性処理便器にしていたが、キレた晃は藤木の片目を潰して逃げ、行方知れずになっていました。

 そんなわけで、ヤバすぎる売春クラブを経営しつつ弟を探す藤木ですが、彼とその周囲の面々の性欲には容赦がありません。藤木は捜査に来た刑事もレイプするし(この後、刑事はレイプシーンを回想してオナニーするマゾに堕ちます)、逮捕された後でも担当の弁護士すら籠絡。そこから刑務所編も描かれますが、刑務所内も美少年と美青年の巣窟で、看守はサディストのゲイだったり。とにかく本作で描かれるのは、男同士の監禁と凌辱、調教の嵐です。

 そんな"監禁凌辱もの"ゆえに、【マニアックなジャンルで指定対象とは考えない】といった意見も寄せられています。一方で、【ストーリー性もあり、みだりに性的興奮を刺激する内容にはなっていない】との声もある通り、ただただヤるだけの即物的な作品ではありません。登場人物がお互いの欲望を満たそうと謀(はかりごと)を巡らせるし、同性愛への目覚めの描き方も丁寧です。

 行為についても雑なSMものにありがちな痛めつけ一辺倒でなく、【薬物使用】など、【監禁ものとして人格否定が多い】と評されるような、特殊なプレイも散見されます。中でも特殊だと感じたのが、若者4人のグループ(うち一組がゲイカップル)と遭遇した藤木が、彼らを3対1に分けてガラス張りの牢獄に監禁するくだりでしょう。ゲイカップルは引き裂かれて監禁されており、裸に剥かれたゲイカップルの片割れを見てノンケだった2人が突如「ケツ振りやがって誘ってるんだろ」と、目覚めてしまうのです。要は、ゲイ版の"寝取られ"ですね。そんな特殊すぎるシチュエーションが次々と繰り出され、いわく、【これまでと比べて特に性描写が多いとは思わない】とされながらも、【全編にわたり性的な描写があり】【グロテスクに感じる】ような【残虐な描写もある】と、ハードBL好きの人も満足できる作品になっているといえます。

 また、物語中盤で、刑務所に入っていた藤木は出所してきます。いや......どう考えても数カ月、長くて1年くらいで出てきたような感じ。おまけに、藤木によってやっぱり"目覚めちゃった"弁護士が「かべアナ」を使った売春クラブの経営を始めていたり、登場人物があまりに大胆すぎる、この展開。【全体的にはありえない内容で滑稽とも取れる】といわれるのも納得です。また、【一般的な青少年の性的感情を著しく刺激するかは疑問だ】そうなので、男性が読んでもきっとネタマンガとして楽しめるはず。ネタといえば、オビでは「藤木洋平の罠にハマった被害者たち」というキャッチコピーで、藤木にハメられる登場人物13人が一覧で紹介されています。あまつさえ「全員性玩具」というキャッチまでついているのも、面白いです。

 そして、本作の白眉な部分は、その描写にあります。【局部の消しが甘く卑わい感を与える】といわれる絵は、確かに修正はしていますが「くぱぁ」という擬音と共に匂い立つような筆致で描かれています。描写については、自主規制団体の面々からも【擬音・体液描写等卑わい】と、太鼓判。特に、やたらと汁の描写、それも射精されたアヌスからこぼれ落ちる精液描写は注目したいポイントです。

 冒頭でも触れた通り、すでに3回も"不健全"指定を食らっている出版社マガジン・マガジンですが、【帯にも「局部全開」とうたっており】【卑わい感を売り物にしている】と指摘されるように、まったく懲りる気配がありません。熟女からBLまで、イケイケで突っ走る同社から、次はどんな作品が飛び出すのか、期待が高まります。
(文/中目黒日向子)

今月の自主規制団体の声
【出典】東京都青少年健全育成審議会「自主規制団体からの聴き取り結果」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/655/655siryou2..pdf

かべアナ (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

かべアナ (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

自主規制団体お墨付きと言っても過言ではない(気がする)。

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