――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月"不健全図書"を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、"不健全図書"に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ"不健全図書"クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

150423_mariachan.jpg
まりあちゃんのつぼみ』コアマガジンHPより。

【今月の指定図書】
 4月に指定された3冊のうち2冊目は、みこくのほまれ氏の『まりあちゃんのつぼみ』(コアマガジン)。フツーの女子大生・田中礼香が、AV女優・まりあちゃんになって頑張る物語です。野外プレイも、痴女プレイも、ときにはファンイベントで自分の身体に生クリームを塗って「召し上がれ」と、とにかく彼女が頑張る作品。これ、レーベルが「ホットミルクコミックEX」なんですが、コアマガジンがこのレーベルを使うのは3年ぶり。どうも、性表現は扱うけれど、ほかの作品に比べたらライトな表現のものはこちらのレーベル......ということになっているようですが、本作のどこに目をつけられる要素があったのでしょうか?

(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

 まず、目に飛び込んできたのは【アダルトビデオ女優と書いてあるが、絵が子供風を連想させる】という意見。え、子供風......? さらに【登場する女の子は胸はデフォルメされて大きく描かれ卑わい感は少ないとはいうものの顔の描き方は幼い子のようであり、問題ありと感じる】なんて意見も。ええと、それって、あくまで個人の主観ですよね? これは"ロリっぽく見えたらアウト"って解釈でよろしいんでしょうか?

 そんな"指定該当"の意見を述べる委員は、修整の部分も問題にしています。【全体を通して問題ない。ただし、部分的に修整が甘いため、性的感情を刺激する可能性がある。表示の必要を検討して良いと思われる】【特に男性器の消しが形を白抜きしただけのものが多く十分とは言えない】。また、【性的行為の描写はコミカルの範囲を超えて露骨。卑わい感も強い】【体液描写が執拗で、女性の性商品化とみられる場面が多い。成人マークが妥当】という指摘もあります。コミカルの基準は謎。おまけに「女性の性商品化」を問題視し始めたら、アイドルまでアウトにしなきゃなんないじゃないですか!

 さらに【評価のしようがない。他誌と同じ成人マークを付けて区分陳列すべき】という、厳しい意見も。

 この作品、もともとはコアマガジンの月刊誌「漫画ばんがいち」に2000年から不定期に掲載されたものです。当時「漫画ばんがいち」の掲載作が単行本化される時には、ほぼ成年コミックマークがついていたと思います。しかし、15年前に"過激"とされた性表現が、今現在も"過激"であるとは限りません。そのため、指定に際して、「15年前の性表現を過激と感じるか否か」が大きなポイントとなるようです。"指定該当"の意見を述べた方々は、主観的に「過激」だと考えたのでしょう。

 ですので、「過激」と思う人と同じくらいの数、「過激じゃない」と"指定非該当"の意見を述べている人もいます。特に修整は、上記のように問題があると見える人もいれば、【局部の修整がされており、内容、描写とも許容できる範囲】【しっかり修整がしてあり、性器の部分は分からない】と見える人もいて、【全編性交描写があり、擬音・体液描写もあるが、それ程卑わいな感じがなかった】という感想もあるのです。

 推測するに、本作はどうもコアマガジンの単行本だから指定されたのではないか、という疑念は、捨てきれません。東京都は、不健全指定図書をセレクトするために毎月120冊あまりの雑誌・単行本を購入しています。この予算内に含まれているか否かは謎ですが「成年向け」マークのついた本も、相当数購入しているはずです。つまり、"コアマガジン=エロ本出版社"のイメージがすでにあるわけで、そこにポツンとマークなしの単行本が悪目立ちしたのではないでしょうか。また、コアマガジンのサイトを見ると、まりあちゃんが登場する過去の単行本......2002年発売の『まりあの「夢に向かって第一歩」』と2004年の『ショーウィンドウの向こう』は「成年向け」マークつきなんですよね。

 確かにこの十数年間で、性表現に対する意識は変化しています。15年前には「成年向け」マークをつけなければならなかった「過激」な表現が、今でも同様に過激かといえば、そうではないでしょう。......ところが、それはエロマンガに慣れている人々の意識であって、日頃、エロマンガを読んではいない人には、意識の変化などないわけです。ここが、審議会への諮問図書候補決定の要素になった気もしてきます。

 さて不健全図書指定を受けて、みこくのほまれ氏は自身のTwitterで

 都条例でネット販売が無くなりました。注文していたのにキャンセルになって発送されなかったという話も聞きました。ご迷惑おかけします。都内の書店も専門店は残るらしいけど他は撤収です。

(みこくのほまれ氏のツイートより引用)

  と、ツイート。Amazonは東京都で不健全図書指定されたものは速攻で取り扱いを中止してしまいます。けれども、ご安心を。トーハンが運営しているインライン書店「e-hon」は、取次だけあって、不健全図書指定された本もちゃんと扱っております。しかも、近所の書店に封筒で密封して配本してくれるので便利です。覚えておきましょう。
(文/昼間 たかし)

今月の自主規制団体の声
【出典】東京都青少年健全育成審議会「自主規制団体からの聴き取り結果」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/658/658siryou2.pdf

【今月の不健全図書レビュー】『まりあちゃんのつぼみ』指定の理由は"コアマガジンだから"とも邪推...のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベhentaiまりあちゃんのつぼみみこくのほまれコアマガジン不健全図書不健全図書レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

--

人気記事ランキング

『TRUE BLUE』『Canvas2』『こなたよりかなたまで』…ナイス選択!
きずぽんがかわいすぎるよ!一緒に乙女ゲーの話したいなぁ

18歳未満閲覧禁止!!

ここから先のコンテンツには、Hでド変態な成人向けなコンテンツが含まれているから、18歳未満の方は閲覧しないでくださいね。

18歳以上のあなたは「進む」を選んで、楽しんでね。