『自分のすごさを匂わせてくる人』榎本博明氏インタビュー[4]

■現実生活でうまくいったことのない人ほど他人のコンプレックスに配慮できない

榎本 これは反発されるかもしれませんが、現実生活でうまくいったことのない人ほど、他人のコンプレックスに配慮できないのです。人のコンプレックスを配慮できるまでの心の余裕がない。

 モテたり、勉強や仕事ができたり、現実でうまくいったことのある人や能力を発揮したことのある人は、人からねたまれたり、足を引っ張られたり、悪口や嫌味を言われたりなど他人から攻撃をされる経験があり、他人のコンプレックスに配慮する心の構えが自然とできるようになっています。

――難しい質問だと思いますが、一筋縄ではいかない承認欲求を抱え、それをSNSを通じに強化してしまった人が少しでも楽になるにはどうしたらいいのでしょうか?

榎本 難しいですね。特にネット上で間違った方向に「自己効力(自分の力)」感を持ってしまった人は相当難しいです。極端な例としては、自分の発言でネットが炎上したり、大企業やお店なりを自分の投稿ひとつで困らせたといったものです。

 私も自著を根拠のない内容で中傷されたことがあり、どうしてそんなことを書くのかと相手にメールをしたことがあったんです。そこまで悪意のある人ではなかったようで、ちゃんと返事が来ました。でも、タイトルだけ見て反応して、中身は読んでいなかったのです。なぜそんなことになるのか。自分の発信が自己効力感の源泉になっているからでしょう。その人は、フォロワーがとても多いんです。ネットで活躍している。

――中身も読まずに中傷する人に多くのフォロワーがついているところが一番怖いですね。

榎本 それでモノが売れなかったり、最悪、お店や会社がつぶれたりしますからね。先ほどお話しした個人的な例では、その人は現実でも実績を持っていました。一方で、現実で思うように輝けない、でも輝きたいという人の場合は、冷静に自己モニタリングする心の余裕がない。いい加減な情報を流しまわりに損害を与えることよりも、自分が影響力を持てたという自己効力に重みを置いてしまう。倫理的に考えてどうか、ということがブレーキにならない。

――何かいいブレーキはないものでしょうか。

榎本 ブレーキとなるのは「自分がダメージを被る人の存在」でしょうね。変な目で見られる、ぎこちない態度を取られる、どうも避けられている気がする、と、やはりそれに気づくことなんですよね。

――「変な目/ぎこちない/避けられている」これらすべてはリアルじゃないとなかなか気付けないですね。ネットばかりにいると気づくことも遅れてしまうか、もしくは気づかないままも十分ありうるでしょうね。

榎本 そのためにも、自分の発信に対しどのような反応が起こっているのか自己モニタリングを行うことですね。ネットもリアルも「モニタリングして修正」の繰り返しです。 

■ネット上で匂わせだしたら黄信号

――間違った方向の自己効力が倫理観を超えてしまうと、状況としてはかなり進んでしまったように思えます。それよりも前の「ここから先はまずい(このままでは間違った方向の自己効力に頼り出し、次第に倫理観も失う)」といった黄色信号はあるでしょうか。

榎本 立場によっていろいろですが、でも、自慢はやはりよくないですよね。ネット上の不特定の相手に匂わせをするのは危険なことだと思います。匂わせの時点で、すでに自分を見る目を失いかけているのです。

 知り合いが「高級ホテルの最上階のレストランで食事をしています」と投稿したら見苦しい、イライラする、と思う人が、自分も自慢げな投稿をしてしまう。自分のことだと気が付きにくいので人の姿から自分を顧みることですね。自慢するということは、①自慢したらイラっとする人がいるだけでなく、②自分で自慢しないといけないくらいちっぽけな人間であることをさらけ出しているのです。

 SNSへの不特定多数に向けた匂わせはとても難しいです。ですが、1:1の関係で、自慢ではなく仕事や交際のスタンスを表明する意味での匂わせはむしろ有効に使えばコミュニケーションを円滑に進められます。匂わせを上手に活用してもらえればと思います。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

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