――紗名のトイレシーンカットされるんじゃないかと思っていたら、ちゃんと再現してくれました。やったぜ。冷酷な能登麻美子ボイスキャラを見ると心が沸き立つたまごまご『アリスと蔵六』を全話レビューします。*ここまでのレビュー

『アリスと蔵六』3話 幼女誘拐、拘束、薬物投与、脅迫、暴行……助けて蔵六! 早くの画像1
アニメ『アリスと蔵六』公式サイトより


3話「トランプ」ブタの流れ回収

 ミニーC「ここで暴れたり私に逆らったりしたら、あなたは死ぬんですよ、わかりますか?」。原作:今井哲也(徳間書店)、監督:桜美かつし、J.C.STAFF制作のアニメ『アリスと蔵六』。頑固爺さん・樫村蔵六(かしむら・ぞうろく/演:大塚明夫)の元にやってきた、妙な力を持つ少女・紗名(さな/演:大和田仁美)を巡る物語。

 2話でブタを大量に出した紗名。ギャグシーンではあるものの、そもそも生き物を出して大丈夫なのか? という部分を、きっちり原作にない前半パートでまとめたのは見事! まずは生き物を消す=殺す、という問題をクリア。どうやって生命が紗名によって作り出されたのかも含めて、(現時点では)安全な方向に管理。一匹置き去りにしちゃったし、原作以上にブタの存在は重要になってくるかも。
 このアニメ、紗名まわりの非常識な出来事を、ひとつひとつ丁寧につじつまあわせをして、わかりやすく見せている。すごい。


■紗名のまわりが動き出す

 花屋で準備中の蔵六の元に、孫の樫村早苗(かしむら・さなえ/演:豊崎愛生)とブタ一緒にワープしてしまい、めちゃくちゃにしてしまった紗名。叱られた彼女はついとっさに「わざとじゃない」と言って、蔵六をさらに怒らせてしまう。

 彼らの元にやってきたのは、蔵六と昔ながらの顔なじみ、内藤竜(ないとう・りゅう/演:大塚芳忠)。内閣情報室所属で、紗名をマークしていた。
 彼女に「蔵六の家の子になる気はないかい?」と言い出す内藤。蔵六も急な発言に、さすがにどうしようか迷いつつあったところ、紗名は少し浮かれ気味にトイレへ。初めての家族のいる新生活。ワクワクしていた彼女は、一人でいたところをさらわれてしまう。

■幼女誘拐暴行事件

 3話目といえば、アニメの最初の山場、継続視聴するかどうかの決め手。『魔法少女まどか☆マギカ』ではマミさんが大変な目にあうところ。『アリスと蔵六』はというと、家族の幸せをほのめかしてからのダイナミック幼女誘拐回だった。さすがにこれは続きが気になりすぎるヒキ。

 誘拐シーンはほぼ原作通り。目隠し。口ガムテ。下パンツなし。両手足拘束。薬物も注射器で投与済み。泣き叫ぶことすらできない。
 その上力づくで押さえつけるという、言い逃れできない暴行。子どもに対しての、外道犯罪のオンパレード。アニメになってヤバさマシマシ。ネットでは「ハイエースだ!」の反応が多数(フィクションで「誘拐」を表すスラングです)。
 実行犯は、"ミニーC"・タチバナ(演:能登麻美子)。亡くなった旦那のもじゃ毛の腕を、自由に操ることができる。複数の腕で幼女をぎゅうぎゅうにおさえつけるなんてお手の物。

『アリスと蔵六』3話 幼女誘拐、拘束、薬物投与、脅迫、暴行……助けて蔵六! 早くの画像2
『アリスと蔵六』公式サイトより、"ミニーC"・タチバナ。能登麻美子さんの演技の、ラスボス感たるや

 視界と身体を拘束したのは、人間誰でもできる物理的なもの。トランプ(能力)で何もかも片付けようとしてきた今までの「アリスの夢(能力者)」とちょっと考え方が違う。

 「本当に全く動けないほどの力で押さえつけられるって、ちょっと衝撃的な体験でしょう? 私も軍にいたとき経験があります」

 ひどいことされたんだね……。そして、自分が怖かったことを、紗名にしている。「紗名が想像できないこと」をしている。イメージできないことは、紗名は形にできないから、逃げ出せない。とどめに言葉で、紗名の想像を脅かす。
 いかにも犯罪、といったシチュエーションを作っているのは、わざとだ。


■恐怖心でねじ伏せる

 ミニーCをここまで非情にさせたのは、「アリスの夢」に関する知識と、死んだ夫への執着。
 研究所の鬼頭浩一(きとう・こういち/演:松風雅也)は、紗名の能力をミニーCに告げている。

 「このワンダーランドの中では、彼女の望んだこと全てが現実になる。想像力の及ぶ限り、どんな願いもね」

 「ワンダーランド」は何も知らない紗名が、想像の及ぶものをしっちゃかめっちゃかに生み出してしまった世界。ここには、生命がある。
 例のブタの件もそう。無機物じゃなくて植物や動物を作っているのを目にしてしまったら。紗名の力があれば、夫となんらかの形でもう一度会うことができる可能性が生まれると、考えるのも無理はない。

 優しく懐柔なんてしない。そもそも紗名と真っ向勝負では勝てない。だから精神的暴力で、脅迫する。ミニーCの武器は「恐怖心」だ。
 1話で紗名は、無知ゆえに蔵六を脅迫する形になってしまったシーンがある。鉄球や弓矢をかざしていた雛霧姉妹もそう。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」は『スパイダーマン』の有名なセリフだけど、今のところ能力持ちは、幼い子どもたちと、ミニーC。どっちも責任を持って制御しているとは、ちょっと言い難い。

 唯一、今回力を持っていることがはっきりした(以前にもチョット出てる)特務機動班の一条雫(いちじょう・しずく/演:小清水亜美)は、理性的に制御できているので、今後の活躍に期待大。
 ただ、この作品は能力バトルとはちょっと違うと思うので、どこに比重を置いて描かれるかはチェックしたいところ。とりあえず、まずは蔵六助けて。

(文/たまごまご

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