『BEASTARS』動物擬人化マンガなのに重すぎる! 深すぎる! 面白すぎる! 
『BEASTARS』(作:板垣巴留、秋田書店)

「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて、板垣巴留が連載中のマンガ『BEASTARS』(作:板垣巴留)の第1巻が1月6日に発売された。板垣巴留はまだ新人マンガ家・板垣巴留なのだが、各地で在庫切れという情報も聞こえてくるほどで、Amazonなどでは定価の倍以上で中古品を扱っている店舗もあるほど人気を博しているようなので、内容を紹介してみたい。

 人間ではなく、動物たちが洋服を着て二足歩行で学校に通ったりしている世界観。だが、動物擬人化にありがちなコメディではなくヒューマンドラマのような感じ。だがだが、ヒューマンドラマといっても、人間界で起こるようなドラマを、ただ動物を使って再現しているというわけでもない。動物が人間のような社会を構築していたのなら、起こりうるヒューマンドラマを描いているのだ。

 物語の舞台は寮制の高校。草食獣も肉食獣も同じように授業を受け、部活動をしている。ストーリーはある日の夜、オスアルパカのテムがクラスメイトの肉食獣らしき動物に襲われ命を落とす場面から始まる。この事件をきっかけに、草食獣たちは心の中に潜めていた肉食獣への懐疑心を表面に出すように。

 主人公の「食肉目のイヌ科最大種類のハイイロオオカミ」であるレゴシは演劇部員で、テムもまた演劇部員だった。テムとつながりがあり、かつ大型肉食獣で暗い性格のレゴシは、草食獣の部員から事件後、特に気味悪がられ恐れられるように……。しかし自分が疑われることについてレゴシは「疑われるのは慣れている」「怖がられても嫌われてもそうやって生きてきた」と言い放つのだった――。

 同作はこんな感じで、決して可愛い動物たちがキャッキャっと和やかにじゃれる様子を楽しむものではない。動物たちはそれぞれが他の種族に対し、偏見や恐れをどこか抱いている。現代社会における人種や国籍、ルックスでの偏見や差別問題を連想してしまうほど。ここに学校という舞台を生かしてスクールカーストも入ってくるので、さらにドロドロしてたまらない。

 またある日、ウサギの生徒を前にしたレゴシは、自分の肉食獣という本能と直面し、その生徒を食べてしまおうとした自分に、強いショックを受ける。理性と本能の間で揺れ動く葛藤も、動物擬人化作品ならではの描写となっていて新鮮だ。

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

チャンピオンは板垣姓が2人、いるんですね

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