『東京季語譚訪』レビュー『ぬらりひょんの孫』の椎橋寛の新作!俳句・季語を擬人化したマンガが美しすぎる!の画像1
『東京季語譚訪』(集英社)

『ぬらりひょんの孫』の作者として知られる椎橋寛が『ジャンプGIG』にて連載したマンガ『東京季語譚訪』の単行本が2016年12月に発売された。今作でも椎橋は妖怪(?)を描いており、『ぬらりひょんの孫』ファンなら必読、そうでない人も読んでみて十分に楽しめる、ちょっと変わったものをテーマにしている。

 テーマは作品のタイトル通り俳句などに使われる「季語」。擬人化、擬獣化された季語が登場し、作品を盛り立てる。彼らは普通の人間には見えないのだが、感受性の強い18歳の少年・青蛙(せいあ)には見えてしまう。それどころか感受性が強すぎるあまりに季節外れの季語を呼び寄せてしまうなんてことも……。

 物語で青蛙が最初に出会った季語は初夏の季語“木下闇”(このしたやみ)。木下闇とは「木の枝葉が茂って日光が遮られたため、樹下がほの暗いこと。また、その所。下闇。このしたやみ」(コトバンクより)という意味。木下闇は単行本の表紙にもなっている和装の超イケメンで、いつも葉が茂った木の枝を傘のようにして持ち歩いている。彼が作中何かと青蛙をサポートしてくれる。

 他にもワイルド美少女の“水無月尽”(みなづきじん)、荒くれものの“野分”(のわけ)、仮面の少年“夏草”(なつくさ)といった季語たちが登場する。

 同作の見どころはやはりなんといっても椎橋の描く美しい絵。一話45ページほどというボリュームなのだが、『ジャンプGIG』は1カ月おきに発売されていたので、単純計算すると週刊での連載時の倍ほど1ページに費やす時間があったはず。いや、もともと短期集中連載と決まっていようだからもっと時間に余裕をもってこの作品に臨んだかも。そのためかとにかく、絵の気合の入りようが尋常じゃない。

 同作は俳句・季語の美しさを絵で表すということに挑戦しているようなので、もちろんいつも以上に意識的に絵を丁寧に描いていたはずだが、中でも要所で挿入される、有名な歌人の句と椎橋の墨絵のコラボレーションは圧巻の一言。

 これを見ると百人一首の句全てを椎橋が絵で表現して、まとめた本を発売してほしくなる。結構売れるんじゃないだろうか? 勉強にもなると思うし。同じ季語を使った句なんかでは同じキャラを登場させたりしちゃって。

ぬらりひょんの孫

ぬらりひょんの孫

ヒロインがもっと欲しいです、氷麗的な

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