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『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』公式サイトより

 超大河的サーガを形成し続けて久しい『機動戦士ガンダム』シリーズだが、その記念すべきTVシリーズ第1作(79~80年/俗に“ファースト・ガンダム”と呼ばれる)の舞台となった一年戦争を中心に、かつてファースト・ガンダムのキャラクターデザインや作画監督などを務めた安彦良和が新たな物語を描いた人気コミック『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』(KADOKAWA)。

 その中で、ジオン公国軍の“赤い彗星”と畏怖されている英雄シャア・アズナブルと、その妹で敵対する地球連邦軍に属しているセイラ・マスの幼年期から青年期を描いた“シャア&セイラ編”を、安彦自らが総監督を務めた4部作のアニメーションとして制作。その最終編『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜』がいよいよ完成した。

 これまで幼年期のキャスバルから少年期のエドワウ・マス、そして青年期のシャア・アズナブルと名を変えながら、両親の仇であるザビ家への復讐の機会をうかがってきたシャアだが、前作の第3部『暁の蜂起』で学生の身で地球連邦軍治安部隊に対して武装蜂起した彼は、今回地球に降り立ち、ついに運命の女性ララァと出会う。

 そして後半は、宇宙世紀0079、月面での人類史上初のモビルスーツ同士の戦闘が行われ、この後宇宙都市サイド3がジオン公国を名乗り、地球連邦に宣戦布告し、一年戦争が勃発するまでが描かれていく。

 正直、シャアの活躍という点では『暁の蜂起』でピークを迎えた感があり、今回はその後日譚とでもいった雰囲気で、いわば前作が動なら今回は静といった印象だが、やはり彼とララァの出会いはガンダム・ファンにとって涙ものであり、やはりここを押さえておかなければ“シャア&セイラ編”は満喫できない。

 ただし今回は妹セイラの登場がなく、総じてこのシリーズ、彼女が深く描かれていたのは第2作『哀しみのアルテイシア』だけで、あとは片隅に追いやられていた感も否めないのが残念。今回も少しでいいから何かしら登場させてあげても良かったのではないか。

 また、その伝では後半の一年戦争へ突入する過程でファーストの主人公アムロ・レイとその父テム・レイの出番が俄然増えていくのだが、原作があるにせよ、この“シャア&セイラ編”では彼ら地球連邦側よりも、やはりとことんシャアとセイラの関係性やそれぞれの生きざまを描いてもらいたかったし、そのほうがすっきりストレートに兄妹の悲劇性が伝わることになった気もするのだが……。(もっとも一年戦争に至る流れそのものをアニメでじっくり見たいと思っていた向きには、これで正解ではあるのだろう)

 演出的にも、これは安彦総監督の色ではないかと思えてならないのだが、4部作を通して、どことなく80年代アニメ(あたかも『クラッシャージョウ』でも見ているかのような!?)のギャグ・シーンを見せられているかのような描写が時折挟まるのには、せっかくの緊迫した状況下などが上手く描出されているのに、もったいないというか、正直脱力してしまうことも何度かあった。

 実はこの4部作、『ゴッドファーザー』サーガにも匹敵する壮大なSFファミリー・サーガとして屹立するものと勝手に期待していた身としては、せっかくの重厚感あふれるシビアな諸描写の連なりも、ほんの少しのユーモアの挿入で台無しになってしまうのが見ていてもどかしく(特に第1部『青い瞳のキャスバル』にそれは顕著であった)、それが第2部、第3部と進むにつれて徐々にそうした描写が少なくなっていったので安心していたのだが、今回はまたそれが復活してしまったなという印象は否めない。

 いや、そもそも『ゴッドファーザー』とガンダムを比較するなという意見もあることだろうが、ガンダム・サーガは十分に海の向こうのアカデミー賞映画を凌駕するに足る内容を保持していると確信している身としては、やはりもっともっと重厚に、格調高いものを見せていただきたかったのだ。

 ……などなどと文句ばかり言っているようだが、それでもこの“シャア&セイラ編”ここ最近のガンダムものの中でやはり一番ワクワクしながら見ていられたのも事実で、その点自分は良くも悪くもリアルタイムでファーストから接していた世代なのだなと痛感させられる。

 そのファースト・リアルタイム世代としては、逆に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以降を描いた『機動戦士ガンダムUC』シリーズが、どことなくファーストの呪縛から抜け出させていないもののように思えて素直に楽しめなかったのだが、『THE ORIGIN』に関しては不思議と素直に入り込むことができた。

 それは、「やがて戦争が始まる」というファースト世界の現実を知っているが故に、その争いを止めることのできないつらさなどが、逆に我々が住む現実社会の、あたかも戦前のようにきな臭い状況を呈してきた“今”と巧みにシンクロし、結果としてファーストへ導く過去の物語が、今を生きる我らの社会の未来予想図になりかねない危機として、リアルに受け止めることができたからだと思う。

 今回の主題歌《宇宙(そら)の彼方で》を“ガンダムの歌姫”森口博子が熱唱しているのも象徴的だ。一年戦争を想定しながら、これから宇宙の彼方で争いが始まり、その後も戦いを繰り返していく人間の愚かさを嘆くシビアな歌詞と、それに抗するかのような美しいメロディの融合は、それこそガンダム・サーガそのものの魅力と直結しながら、今を生きていく他ない我々の危うい未来に対して祈りを棒げ得ている。

 とどのつまり『機動戦士ガンダム』サーガとは、単なる宇宙戦争アニメではなく、常に今の私たちの社会を映す鏡でもあることを、この4部作は見事に証明してくれているのだ。

 2017年の秋からは“ルウム編”が始まる。『THE ORIGIN』ワールドはこの後もしばらくこちらの心をときめかせつつも、大いにかき乱してくれそうである。
(文・増當竜也)

【劇場アニメレビュー】シャア&セイラの出番が少ないもののファースト世代なら楽しめる!? 森口博子の主題歌も熱い!『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜』のページです。おたぽるは、cat連載アニメ作品レビュー劇場アニメレビュー増當竜也宇宙(そら)の彼方で安彦良和暁の蜂起森口博子機動戦士ガンダムTHE ORIGIN運命の前夜の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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