今年も「ガイマン賞」の季節がやって来た。「ガイマン賞」は2012年に、京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター、明治大学米沢嘉博記念図書館、北九州市漫画ミュージアムが合同で設立。アメコミ(アメリカ)、バンドデシネ(フランス語圏)、マンファ(韓国)など、日本のマンガを除く海外作品を“ガイマン”(海外マンガの略)と称し、その魅力を伝える賞である。

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ガイマン賞公式サイトより

 10月10日、北九州市漫画ミュージアムにて「ガイマン賞トークライブ」が開催され、原正人(バンドデシネ翻訳家、ガイマン賞実行委員会)とオーサ・イェークストロム(マンガ家・スウェーデン出身)が来館した。

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ガイマン賞トークライブ

 オーサは自著の『さよならセプテンバー』(クリーク・アンド・リバー社)が昨年のガイマン賞で1位を獲得。『さよならセプテンバー』はマンガ家を目指すスウェーデン出身のアレックスが主人公で、オーサ自身が実際にマンガ家を目指すために体験してきたことも盛り込まれた物語。オーサが日本でマンガ家デビューを果たしたのは昨年の『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(KADOKAWA)だが、その観点からも興味深い作品だ。

 オーサは『さよならセプテンバー』について「スウェーデンではリアルな話が好まれるので、ファンタジーよりも日常的な話にしました」と語る。「スウェーデンは締切が厳しくないというか、描き終わったところで出版社に持っていって、その場で出版されるかどうかが決まります」と、母国の出版事情にも触れた。この『さよならセプテンバー』も、持ち込みからスタートした作品だとか。

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オーサ・イェークストロム

 オーサは「スウェーデンでは日本のスタイルで連載できるところはありません」と続けた。日本のスタイルとは雑誌での連載を意味する。実際、母国にいた頃はイラストレーターとの兼業で、日本のマンガ連載の形式を現地でやろうとしても、時間もお金もかかってしまうのだとか。似たところでは新聞社が主催するコンテストがあり、オーサは「応募して賞を取りました。紙面で1週間連載できたりします」と語った。

 一方、原は翻訳家としての観点から「日本のマンガは右から左に流れてくんですが、吹き出しの中が読みやすい感じで改行されてくんですよ。欧米のマンガが翻訳された場合、文章を読むのと同じ感覚になっちゃうのが、体感として違うように思います。海外のマンガや文化に触れてる人にとっては『翻訳ってこんなもんかな』って思うかもしれませんが、特に日本のマンガだけを読んでる人にとっては読みにくいと思うんです」と語った。

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原正人

 原はガイマン賞2016ノミネート作品の中から、フランスの『ラストマン』『ラディアン』、韓国の『沸点:ソウル・オン・ザ・ストリート』『未生(ミセン)』『ノブレス』『少女・ザ・ワイルズ』、インドネシアの『ガルーダヤナ・サーガ』『グランドレジェンド・ラーマーヤナ』『私と恋するナマケモノ』、中国の『幼馴染に憑かれて-Guarding-』、台湾の『異人茶跡』『203号室の妖怪さん』など、日本のマンガスタイルに近いものを数点紹介。

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