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『アクセル・ワールド』公式サイトより。

 川原礫による同名人気小説を原作に、2012年4月から9月まで全24話が放送されたTVアニメーション・シリーズ『アクセル・ワールド』(作:川原礫/電撃文庫)は、近未来の日本社会を舞台に、ネットワーク上の仮想世界で通常の1000倍も加速しながら展開する対戦格闘ゲーム“ブレインバースト”に参加するプレイヤー“バーストリンカー”の面々の闘いと日常を描いたSF青春群像劇である。

 主人公の有田春雪は見た目の肥満体と引っ込み思案な性格ゆえにスクールカーストの犠牲となっている中学生。しかし、仮想世界におけるゲームプレイの俊敏さを、美しくも麗しき生徒会会長の黒雪姫に買われてブレインバーストのバーストリンカーに誘われる。やがて春雪は自分を救い導いてくれた黒雪姫(=ブレインバーストにおける、現状最高のレベル9を保持する六王のひとり“黒の王”)のためにすべてを捧げる決意をし、徐々に仲間を増やしながら、黒の王の組織たる“ネガ・ネビュラス”を牽引していく。

 本作の魅力は何といっても子豚ちゃんのようなハルユキと美女そのものの黒雪姫の関係性で、よもやありえないこととは思いつつ、いつしか黒雪姫はハルユキに惹かれ、愛し、しかし彼はその想いを受け止めるだけの度量がないまま、ひたすら姫の下僕として忠誠を誓う、その健気さもさながら、だからこそ何とか両者には結ばれてほしいと思う数多くのハルユキもどきのファン(私も含む!?)の心をがっちりつかんで離さない。

 しかもこのハルユキ、黒雪姫以外にも実は幼なじみのチユリにもひそかに慕われているなど、実は結構もてているのに、自分に自信がないゆえに全くそのことに気が付いてないという、そんなお約束的設定の数々が何ら不快感に繫がることなく、ハルユキのみならずすべてのキャラクターを応援したくなるほどの愛しさが見事に醸し出されているのだ。

 原作小説のHIMAのイラストを基にした愛敬由紀子のキャラクターデザインも個人的には好みで、こういったものを“萌え”というのであれば、こちらも喜んで萌えの海にずぼりと浸りきりたいと思うほどの美しさと麗しさと憂いがここにはある。

 さて、そのアニメ版『アクセルワールド』のその後を劇場用映画として描いた『アクセルワールド INFINITI∞BURST』だが、こちらが前情報を一切入れず、ただただ期待に胸弾ませて、銀幕に駆けつけたのが大失敗で……要するに、がっかり。

 まず本作は上映時間約70分強のうち、およそ40分ほどがTVシリーズの総集編、つまりは作品世界の説明なのである。しかもこれがもうただただ説明に終始しただけのシロモノで、確かに久々に作品世界に接する者には「ああ、確かにそうだったね」といった感慨こそあるものの、ならばいっそ総集編映画としての構成の妙であるとか、要は映画ならではの味わいを堪能したいところなのに、ここでは全24話の前半部だけの説明でしかなく、後半部を占める憎らしさ極まる強敵・能美征二との死闘篇はすっぽり無視されているときた。

 後半30分ほどは、原作者自身が構築したオリジナル・エピソードが繰り広げられるのだが、そこに至るまでにゲンナリしてしまった身としては、もう六王が勢揃いしてブレインバーストの危機に立ち向かおうが、美少女キャラたちがみんな浴衣姿で夏祭りを楽しもうが、もうそんなことなどどうでもよくなるというか、ただただ黒雪姫は綺麗だなあと頭のスイッチを切り替えて、映画を見るのではなく黒雪姫を銀幕の大画面で拝むという、ヲタ丸出しの気持ちで臨むよりほかに時間をやり過ごす術がないのであった。

 また今回はTVシリーズには登場していない美少女キャラクターが数名出てくるのだが、彼女らはその後の原作に出てくる者たちであり、要は今回の新エピソードはTVシリーズからぐっと先をいく原作の今現在の時期を設定したものとなっているので、こうなってくるとTVシリーズだけのおさらいだけではすまなくなってくるという、実に不親切な、イチゲンサンお断りの、原作ファンでないと心底楽しめない、悪い意味でのファン・イベント・ムービーの域に留まってしまっているのである。

 たとえば『ガールズ&パンツァー劇場版』がTVシリーズについて3分ちょっとでコンパクトに説明し、あとは120分フルにオリジナルのエピソードを綴ってくれる快感を一度味わってしまった身としては、もはやこういった生温くも及び腰なナアナアの映画版を許容することができないのだ。いわゆる深夜アニメの劇場版という方法論は、既にガルパンによって塗り替えられている事実とを、製作サイドはもっと強く認識すべきである。

 実を申すと黒雪姫LOVEなこちらとしては、久々にTVシリーズを全話見直した上で本作に接したもので、余計に失望感はハンパなく、帰宅後また第1話から見直しながら自分を慰めてしまっているところ。

 どうしてこんな陳腐な構造の映画にしてしまったのかなあ……。

 せめて原作者の新エピソード部分を大いに膨らませながら全体を占めてくれていさえすれば、多くのファンも、イチゲンさんも、もっと納得できたのではないか。

 いつも思うことだが、たとえTVシリーズの後日譚映画でも、イチゲンさんの多くは決してバカではないから、ちゃんとその作品の世界観を予想&想像しながら作品に接し、自分なりに解釈しながら見てくれるものである。その意味ではハンパな総集編仕様というのは、実は映画観客に対する親切の押し付けどころか、むしろ失礼にあたるのだ。

 せっかくメチャ好みな作品の映画化がこうなってしまって、今はまだ落胆のみではあるのだが、もしまた次があるのだとしたら、今度こそ完全新作でのスケール豊かなブレインバーストを見せていただきたいものである。
(文・増當竜也)

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