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『ONE PIECE FILM GOLD』公式サイトより。

 尾田栄一郎の人気マンガ『ONE PIECE』(集英社)も早いもので1997年の連載開始から19年、TVアニメーション・シリーズ(99~/フジテレビ系)放送開始から17年、そして最初の劇場用映画『ONE PIECE』(2000)から今回の第13作目『ONE PIECE FILM GOLD』(16)で16年となる。

 当初は《東映アニメフェア》用の中編として製作されていたが、第4作『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』(03)から長編の単独上映となり、第10作『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』(09)では原作者自身が製作総指揮を務め、興収48億円を計上。第11作の3D短編『ONEPIECE 3D 麦わらチェイス』(11)をはさみ、同じく原作者が製作総指揮し、人気放送作家の鈴木おさむが脚本を記した第12作『ONE PIECE FILM Z』(12)は興収68億7000万円の大ヒットとなった。

 このように原作もテレビも映画も、ここ数年は勢いが止まらないといった印象の『ONE PIECE』だが、たとえばTVシリーズは5、6年目あたりからしばらく数字的に厳しい状況もあったと聞く。しかし、とあるアニメ・プロデューサーに以前聞いた話では、そういった苦しい時期を何とかしのいで10年目あたりまで迎えれば、後は安定して不動の人気を勝ち得ることができるのだとか(かくしてTVアニメ版は、東映アニメーションが製作するアニメ作品の中で、最長ロングラン作品として今に至っている)。

『ONE PIECE』映画版の場合、最初は無印だったタイトルに“THE MOVIE”の冠がつくようになり(2004年の第5作『ONE PIECE 呪われた聖剣』のように、特に一貫した統一性があるわけでもないが)、やがて“FILM”と変わっていくにつれ、映画としての腹の括り方も変わってきているようで、今では東映の屋台骨を背負うほどの貫録を示している。

 そういった流れの中、ファンとしては『ONE PIECE FILM GOLD』に期待も不安も募るところだろうが(特に前作『Z』は大ヒットこそしたものの、内容的にはいささか不満もあっただけに)、はっきり言って今回は映画版シリーズ最高傑作と讃えても差し支えのない意欲と面白さが見事に合致した快作となっている。

 ストーリーそのものは至ってシンプルだ。ルフィら麦わらの一味が、カジノ王ギルド・テゾーロが統べるエンタテインメント・シティ“グラン・テゾーロ”に乗り込み、そこで罠に落ちて、やがてリベンジを仕掛けていく。

 冒頭からハリウッド・レヴュー映画でも見ているかのようなショー演出に圧倒されるが、その過剰なまでの華やかさは、今回の『GOLD』の名にふさわしい象徴ともなって、その後の展開をきらびやかに飾り続けていく。

 とにかく今作はギルド・テゾーロという巨悪の存在感が圧倒的で、さすがに今回はルフィたちも負けてしまうのではないかと思わせるほどにスケールの大きな憎々しさを目の当たりにしながら、ここまでのワルになれるのならば人生本望ではないかと憧れてしまうほどの魅力を発している。

 テゾーロの声を務めているのは山路和弘。最近ではジェイソン・ステイサムなどの吹替でもおなじみだが、一方で高橋伴明監督や水谷俊之監督、原田眞人監督作品などになくてはならないいぶし銀の魅力を醸すこの名優だからこその究極のワルの魅力が発散されている。

 こういった巨悪だからこそ、対峙する麦わらの一味の活躍も一層引き立つ道理で、今回は一味の個性もさりげなくだが過不足なく盛り込まれており、とかくTVアニメの劇場版にありがちなゲスト・キャラに気を使いすぎてレギュラー陣の描出に難ありといった事態に陥ることなく、特にルフィはただただテゾーロを「一発殴ってやりたい!」と、これまたシンプルな理由で立ち向かっていく痛快さがみなぎっている。

 とはいえ、このテゾーロ、本当に強い。クライマックスの一大死闘でもなかなか倒れない。そのしつこさは『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(78)の白色彗星ズウォーダー大帝に勝るとも劣らぬほどなのである。もうエキサイトしないはずがない。

 また今回は麦わら一味の人気ヒロイン、ナミ(今回は特にボン・キュッ・ボンとなっているような気もするが……)と因縁浅からぬ関係のようなグラン・テゾーロの歌姫カリーナとの、まさにダブル峰不二子バトルとでもいった女同士の確執が、メイン・ストーリーの彩り以上にインパクトあるものとして大いに映えている。

 カリーナ役の満島ひかりは昨年のTVドラマ『ど根性ガエル』(日本テレビ系)のピョン吉の声も好演だったが、今回はFolder5時代にTVアニメ版の主題歌を歌っていたこともあってか、実にうれしそうに乗って演じているのが見る側に伝わってくる。

 その他、声の出演に関しては菜々緒やケンドーコバヤシ、濱田岳など総じて良いが、中でもベテラン名優・北大路欣也扮するレイズ・マックスのキャラは出色で、今後もシリーズに登場させていただきたいほどのものがあった。

 監督は08年からテレビシリーズに3代目ディレクターとして抜擢された宮元宏彰。さすがにシリーズを熟知したものだからこその、今回のシンプルかつ芳醇な世界観の構築が実現できたのだろう。

 この猛暑の中、冷房の効いた映画館の中でも、本作に関してだけは上映中も画面から伝わる熱気でヒートアップは免れまい。クライマックスに至ってはルフィVSテゾーロの画の迫力もさながら、田中真弓VS山路和弘の腹の奥から絞り出しきったかのような絶叫合戦にもエキサイトすること間違いなし。

 熱く盛り上がり、見終えて心地よい疲労感に包まれ、しばらくしたらまた見直したくなってくる、今年の映画版『ONE PIECE』はそんな快作である。
(文・増當竜也)

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