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『西荻窪ランスルー(1)』(徳間書店)

 BLジャンルでは定評のある、ゆき林檎の一般作『西荻窪ランスルー』(徳間書店)は、新たなスタイルの、働く女子マンガである。

 今回のヒロインの職業は、アニメーター。

 むむ、アニメーターを扱う働く女子マンガは、ほかにもさまざまあると思うが、この作品にはどんな仕掛けが込められているのか……?

 物語のヒロイン・江田島咲は18歳の高校生。すでに大学にもAO入試で合格している彼女だったが、大学には進まずに自分ひとりの力で生きていこうと考えていた。

 そのために彼女が選んだ職業はアニメーターだった。「描いて描いて描きまくって、上手くなって、好きなことでお金を稼いで生きていく」そんな人生の希望を抱く彼女は、無事にアニメ会社に採用される。

 そこには、面接の時から「大学に行け」と、冷たい態度を取る上司。子持ちで美人の監督など、一筋縄ではいかないキャラクターばかりが集まっていた。採用された同期が数日で辞めてしまう出来事にも遭遇したりしながら、咲は新米アニメーターとしてプロの道を進んでいくのだ。

 この作品でまず気付くのは、絵のタッチや、表紙のイメージとは裏腹に、登場人物が、内心で熱さを燃やしまくっているということだ。

 ヒロイン・咲は、さほど裕福でもないが、ごくごく一般的な家庭の育ちである。そして、彼女自身も高校は進学校である。なのに、彼女が一人で生きていこうと決めたのは、受験に失敗した弟が、自分へのコンプレックスからグレてしまっていること。

 そのことで、学歴=幸せではないことを身もって知った咲は、自分の好きなことで人生を燃やそうと決心したのである。

 ここで、作者の演出が巧みなのは、卒業へと至るシーン。進学校ゆえに、高校を卒業して就職するのは、彼女一人なのである。これは、相当な決心が必要なハズ。なにせ「同調圧力」が当たり前の日本社会。その中で、奇異の目で見られることも厭わず両親を説得しているんだから、相当な心の持ち主であることことが感じられる。

 働く女子マンガにおいて、読者はヒロインが頑張る姿に共感し応援するわけなのだが、この作品の場合、読者の側に「お前も頑張れよ」的なメッセージが伝わってくる感じがするのである。

 そして人生訓にも事欠かない。

「手からネギの香りがした」女子監督の三津は、咲に「やりたいことはあるのか」と問い、次のように語り出す。

「夢って希望にもなるけど……達成されたら燃え尽きちゃたり、叶わないってなったら押しつぶされちゃったりするし」

 この三津という女性、後半で出産を終えて職場復帰をしたことがわかる描写が挿入される。子育てにも時間を割かれているハズなのに、仕事に妥協などない。いったい、内心ではどれだけの夢を燃やしているのだろうか?

 そう、この作品が教えてくれるのは、何か夢を燃やしていれば、日常のどんなことも乗り越えられる。そんな単純なことを改めて、読者に思い出させてくれるのだ。

 今後の少女のアニメーターとしての成長物語にも期待だ。
(文=是枝了以)

西荻窪ランスルー 1巻

西荻窪ランスルー 1巻

きっと咲ちゃんを応援したくなるはず……

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