――2016年7月に放送を開始する新作アニメ作品の中から、選りすぐりの注目作の見どころを、クリエーターへのロングインタビューとともにご紹介!

 今回は、本格マフィアドラマを、監督は『鬼灯の冷徹』の鏑木ひろ、シリーズ構成は『ハイキュー!!』の岸本卓、制作は『デュラララ!!×2』の朱夏という、実力派スタッフでつむぐ『91Days』(MBS・TBS系「アニメイズム」)。

 映画やドラマではメジャーだが、アニメでは意外と舞台となることが少ない1920年代、禁酒法時代のアメリカのマフィアを取り上げる『91Days』は、どんな物語を展開し、どんなキャラクターを描こうとしているのか。

 本作の企画を主導した松竹株式会社・飯塚寿雄プロデューサーに話を聞いた。

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(C)91Days


■魔法使いや超能力者は出てきません

―― まずは何でこの時代、こういった物語をオリジナルで制作されることになったのか、経緯や企画意図から教えてください。

飯塚寿雄(以下、「飯塚」) もともとは別の人間が、全く違う企画を朱夏さん、鏑木ひろ監督と進めていたんです。ところが、その人間が異動することになって、一回(企画を)バラそうとなりかけたんです。ただ、せっかく朱夏さんと鏑木監督とご一緒できるチャンスだったので、これはバラすのはもったいない、違う企画を進めようとなりまして。そこから大河ドラマ的なラブストーリーだとか医者モノとか、紆余曲折、いろいろ構想はありましたが、途中から岸本(卓/シリーズ構成)さんも参加して打ち合わせを重ねる中で、結構アメリカのTVドラマの話題で盛り上がったんです。『ウォーキング・デッド』『ブレイキング・バッド』とか。「ああいう、続きが気になってしょうがない、次への引きが強いものをやりたいよね」となったんです。

―― そこからなぜ、20年代のマフィアものに?

飯塚 僕が好きだったからという部分もあります(笑)。また、ある意味不条理なファミリーの掟、組織を優先しなくてはいけませんから、ファミリーのために誰々を殺さなくてはいけないとか、生き死にのドラマを作りやすいし、特殊な環境下での人間関係は面白いと思ってもらえるのでは、と。鏑木監督もマフィア映画が好きだったということもあって、企画が進んだんです。現代のマフィアだと、彼らの生活や生業を描くとき、麻薬や国際的な犯罪に絡んでいる様子を描くことになります。主人公たちが麻薬で生活を成り立たせているとなると、アウトローすぎて感情移入しにくいと思ったんです。その点、禁酒法時代に酒を扱う、ということであれば忌避感がそれほどない。それに100年近く前のアメリカですから、現代の我々からかなり遠いのに、映画などでよく取り扱われるので、姿形が想像しやすいところもありますし。

―― アル・カポネの伝説や『ゴッドファーザー』シリーズの影響ですね。

飯塚 日本人が思い描くマフィア像は、ベタですけれどその辺にあると思うんですよ。いい具合に遠いけど、ビジュアルは脳内補完できますから。

―― トレンチコートに中折れ帽、葉巻といったファッションですね。

飯塚 想像しやすいし、格好いいですよね(笑)。

―― 同じ20年代・禁酒法時代のアメリカをテーマとした作品だと、『バッカーノ!』(2007年)を連想するアニメファンは多いと思います。20年代禁酒法時代に“不老不死”“吸血鬼”などなどを盛り込んだ、人気作でした。

飯塚 実は『91Days』も、そういった一ひねりした要素を盛り込むべきかどうか悩んだ時期がありました。ただ、マフィアのリアルでシビアな物語を描こうとすると、特殊能力は食い合わせが今作では悪いなと感じたんです。ここはもう正攻法で彼らのドラマを描こう、きっとそのほうが受けるはずと鏑木監督と岸本さんにお願いしました。我々的にはギャンブルなんですけど。

―― 正攻法、生身の人間で可能なことしかやらないわけですね?

飯塚 やらないですね、魔法使いや超能力者は出てきません。そのせいか、このアニメは女性キャラクターが極端に少ないんです。

―― キャストさんもスタッフさんも野郎ばっかですよね。

飯塚 野郎ばっかです、アフレコ現場も男臭いですもん(笑)。結局、当時のマフィアの物語を描こうとするとそうなると思うんですよ、出てくるとした家族ぐらいでしょうか。『ゴッドファーザー』を見ても、ファミリーと浮気相手ぐらいですよね。女性キャラを物語の中心に組み込んでいくという案も一瞬ありましたけど、彼らのドラマをしっかり描くだけで成立しますから、無理に挿入しなくともよいかなと考えました。

■『バッカーノ!』はあえて見ない方向で!

―― スタッフワークについても聞かせてください。まず朱夏さん、鏑木監督と松竹さんという組み合わせも珍しいなと思ったんですが。

飯塚 最初にお会いしたのは、朱夏の佐藤社長がまだブレインズ・ベースさんにいらっしゃったころです。『デュラララ!!』などを佐藤さんがブレベの第3スタジオが制作されていて、朱夏さんとも鏑木監督とも、いつか一緒にお仕事したいなと思っていました。今回は実現できてうれしいです。シリーズ構成の岸本さんは原作もので素晴らしい仕事をされていますけど、オリジナルものをやってみたいとおっしゃっていたので、参加していただきました。朱夏の佐藤さん、鏑木監督、岸本さん、そして自分と4人が比較的年齢が近かったので、これまで見てきたものとかが結構被っているんですよ。これが役立ちましたね。

―― 「ああいう感じ」「ああ、アレね」が通じると。ちなみにその話し合いの場でよく名前が出てきた作品は、どんなものがありますか? 

飯塚 パクろうというのではなしに、たとえ話、参考という範疇ですが、『ゴッドファーザー』、『ワンスアポンアタイム』、あとは『仁義なき戦い』、あとは最初にお話した『ブレイキングバッド』といったところでしょうか。やっぱり『ゴッドファーザー』は、マフィア映画のバイブルみたいになっていますから、少し時代が違いますけど、参考にさせてもらった部分はあります。

―― 先ほども触れましたが、やはりこの時代、舞台だと『バッカーノ!』の印象が強いですし、朱夏さんの代表作『デュラララ!!』、両作とも原作者は成田良悟さん。どうしても結びつけて考えるアニメファンは多いと思いますが。

飯塚 それは多いでしょうね。ただ、鏑木監督も岸本さんも僕も実は『バッカーノ!!』をほとんど見ていなかったんです。特に企画が動いてからは、あえて見ないようにしていましたね、どうしても引っ張られてしまうと思いますから。もちろん、朱夏さんがお持ちだった『バッカーノ!』の資料などは、活用させていただいてますが(笑)。

―― あと、目を惹かれるのが音楽を担当される海田庄吾さんのお名前です。映画やドラマでの活躍が多い方ですよね。

飯塚 鏑木監督から「映画っぽい音楽を作れる人を」というご相談があったので、ご依頼させていただきました。やっぱりマフィア映画を何本か見ていただいて、20年代のマフィア映画を想起させる音楽をすごいノって作っていただきました。渋くて重厚です。物語にうまくハマってくれましたね。

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■『君とど』ばりのキャラ描写にガンアクションも!

―― 脚本を読んで、非常に硬質な印象を受けました。このキャスト陣ですから、もっと女性受けを狙うのかなと思っていたので、少し意外でした。

飯塚 僕らも女性をターゲットに据えた作品に携わったこともありますが、あんまりお仕着せになってしまうよりは、ちゃんとしたドラマを作れれば、きっと支持してもらえるはずと思って作りました。例えば、ヴァンノは小野大輔さん、ファンゴは津田健次郎さん。普通この2人をキャスティングしたら、もっと髪も体も細めでキラキラした感じにしたくなるところですが(笑)、アニメのファンはキャラを好きになるとき、ビジュアルだけで好きになるわけではないと考えています。ドラマとキャラの関係性をしっかりすれば、流行の絵柄ではなくともお客さんは好きになってくれるのではないかと。

―― 鏑木監督というと、「あ、『君に届け』の監督だ!」と思ったアニメファンは多いと思います。見どころはやはり各キャラクターの心理描写でしょうか。

飯塚 もちろん、そういったところ、キャラ一人ひとりの言葉にどういう感情が乗っかっているのか。感情の流れや言葉の選び方は、監督がかなり注意を払っていただいていますから、見どころになると思います。加えて各話に必ず銃撃シーン、見どころとなるようなアクションを配置しようと注意しましたね。序盤は静かに入っていきますけど、終盤に向けて盛り上がっていければと思います。

―― マフィア映画ならではの見どころですね。そういったシーンの絵コンテや演出を、PDの目から見ていていかがですか?

飯塚 スゴイですよ、そりゃ。丁寧に描かれていて尺が心配になるぐらいですが、またアクションシーンでもキャラたちのちょっとした顔の向きとか、視線を交わすだけの会話を演出してくれています。コンテを読んでいるだけでも楽しいので、自分も早く映像が見たいです。序盤だと第1話のBパートは急に緊張感ある展開になるので、そこを楽しみにしてもらえれば、と思いますね。また第1話は冒頭もサスペンス映画か!? というほど緊張感がある展開になっています。

―― アヴリィオが復讐の鬼になってただ相手をぶっ殺していくのではなく、ネロの懐へ潜り込むというストーリーも緊張感があります。

飯塚 ネロというキャラが、求心力があるというか周囲の男たちが彼に心酔していくんです。アヴリィオの機転と度胸の良さもかわれることによって、どんどんファミリーに潜り込んでいくことになりますが、復讐の先に何があるか、楽しんでいただければと。

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主役2人との絡みも多いヴァンノ

■アル・パチーノも担当する山路さんの存在感

―― 2人に加えて、序盤で注目すべきキャラはいますか?

飯塚 ヴァンノは注目していただけると楽しいキャラです。主役の2人と行動をともにすることが多いので、比較的に前に出てきますし、楽しいキャラです。あと個人的にはヴィンセントも好きなんです。というのも、今回ヴィンセント役を『ゴッドファーザー』でアル・パチーノなどを吹き替えてらっしゃる山路(和弘)さんが演じてくれます。スタジオで聞くと、すごい引き締まるんですよ。

―― 配役についてさらにお聞きします。人気の若手・中堅・ベテランがうまいこと、散らばって入っていますね。

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対立関係にあるマフィアの幹部・ファンゴ。暴走シーンも多いとか

飯塚 そうですね。個人的には小野さんに久しぶりにこういうチンピラっぽいキャラクターを振ることができてうれしいし、実際演技を聞いても楽しかったです(笑)。若手とか中堅とか気にせず、キャラ優先で選んだ結果ですから、全体的にキャスティングはすんなり決まりました。ファンゴの津田(健次郎)さんなんかは、結構暴走するキャラなんですけど、津田さんの演技がそこを上回ってくるので、「わかりました! 画を少し変えます!」なんてことも何度かありました(笑)。

―― 演技とキャラとの一致を求めた結果ですが、この人気者揃いです。男性アニメファンはやっぱり、「あ、女性向けアニメだな」と構える人もいるかもしれません。

飯塚 そうかもしれません。ただ、本来マフィア・ヤクザ映画は男性ファンが多いですよね。このキャストのメンツなので、女性のお客さんにはボールを届けられると思うんですが、あとは男性のアニメファンに、男性が好きな舞台、物語を制作現場でもアフレコ現場でも男臭い中で頑張って作っているので、ぜひ注目してください、とお伝えしたいです。男が好きな、男の戦いを描いたアニメです。あまりに渋く作っているので、ギャンブルだと思っていますが、ぜひこのギャンブルに一緒に乗っかってください!

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重厚な存在感のあるヴィンセント。物語でどんな役割を果たすのだろうか?

■『91Days』
・公式サイト http://91days.family/
・放送情報 
 MBS 7月8日より毎週金曜深夜2:10~
 TBS 7月8日より毎週金曜深夜1:55~
 CBC 7月8日より毎週金曜深夜2:46~
 BS-TBS 7月9日より毎週土曜深夜0:00~

(C)91Days

91Days  VOL.1 [Blu-ray]

91Days VOL.1 [Blu-ray]

イケメンばかりじゃないとこに拘りを感じます

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