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『本死にたまふこと勿れ -夏目文彦青春日記-』(新潮社)

 こ、こんなに文学を愛するキャラクターが、これまでいただろうか。出オチに終わらない厨二病で攻める村山獏地『本死にたまふこと勿れ -夏目文彦青春日記-』(新潮社)は、文学を愛する人なら一度は考えたであろう「思想」が、次々と登場する作品である。

 物語の主人公の名は夏目文彦。これでもかというくらい文学を語るに相応しい名前である。そんな彼が熱中するものは文学。そのハマりっぷりゆえに、文彦は学校指定のブレザーを拒否して学ランで通学しているのである。

 この時代錯誤な男は、ブログやSNSを許容しない。彼が好むのは文学。それも、紙の本でなければ納得などしないのだ。

 紙の本が売れなくなっているご時世に、なんともありがたい読者であるが、時代はそれを許さない。第1話から早くも、最寄りの書店(それも、今どき少なくなった個人経営の小規模書店)が閉店しそうになる。

「本が無くなれば栄養失調で死ぬ」

 悩む文彦の前に姿を現したのは「文学の神」であった。

 いや、マンガ家マンガなんかだと、手塚先生風なシルエットの人物が現れるシーンだろうが、ここで姿を現したのは、文彦自身。

 文彦自身である文学の神は告げる。

「お前がエグいヒット作を創り出し出版業界を救うのだ!」

 こうして始まる物語は、文彦の文学修行にはならない。なぜか、妙なキャラクターが次々と登場して、文学への偏愛が暴走する物語になっていくのだ。

 学校の図書館で出会った自称「活字スト」五十嵐久作は、流行のエンタメ小説しか読まない男。文彦は、この男と文学作品に登場するヒロイン愛で勝負することになる。要は、溢れんばかりの情熱を語るわけだが、久作のほうは何度も自室でエンタメ小説のヒロインと愛し合っていると語り出す。そして、日常化しすぎてスペシャル感がないゆえに、愛し合うために図書室に来たのだと。すなわち、作品を手に脳内18禁二次創作で萌えまくっているわけである。数々の文学ヒロインを愛してきた文彦との間に友情が生まれるのは当然である。

 それに加えて、ヒロイン格として登場する三鶴すみれ子は、これまた妄想家。一緒に本を探してくれることになった文彦に「もし百年生まれが早かったら、私は袴姿の女学生。あたなは外套姿の学士様。一冊の本がきっかけで、恋に堕ちる……」といきなりフラグを立ててくる。

 しかし、さらなる妄想家である文彦は「特に金持ちでもない僕が学士という設定には納得できない」と、いきなりフラグをたたき折るのである。

 明治大正昭和の文学を愛して止まない人ならば、スマホやタブレットに対して怒りを向けたり、俺も大正時代に生まれていたなら……と妄想に励んだのは一度や二度じゃないはず。

 ゆえに、本作は登場人物に共感しまくれる内容に仕上がっているのである。
(文=是枝了以)

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