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アニメ『亜人』公式サイトより。

 2012年7月から「good!アフタヌーン」誌で連載中の桜井画門による人気同名コミックを原作とする、3部作構想のアニメーション映画シリーズが『亜人』(共に講談社)である。

 亜人とは、要するに不死身の人間のことで、17年前にアフリカの戦場で初めて発見されてから、世界各国の政府機関にチェックされ、捕獲される存在と化している。

 不死身とはいえ、傷つき斃れる際の痛みなどは伴う。しかし、いざ甦るとそれらの傷は全て癒えているのも大きな特徴で、いっそ瀕死の重傷を負ったときは、一度死んでみたほうが後々楽になるという、ありがたいのかありがたくないのかわからない“技”も持ち合わせている。

 主人公のエリート高校生・永井圭は、トラックに轢かれて事故死するも、その場で生き返ったことから亜人であることが発覚して、国家組織に追われる羽目になり、一時は捕獲されて実験材料となるが、辛くも脱出に成功するまでを描いたのが、昨年秋に公開された『亜人 第1部「衝動」』であった。

 今回のアニメ映画シリーズの総監督を務めるのは瀬下寛之で、監督は安藤裕幸。どちらもTVアニメ『シドニアの騎士』2部作(14・15)に携わった面々で、アニメーション制作も同じく『シドニアの騎士』のポリゴン・ピクチュアズ。

 ポリゴン・ピクチュアズといえば3DCG制作会社として知られるが、近年は3DCGのセルルック作品にも力を入れており、そこで評価を得たのが『シドニアの騎士』だったわけだが、その勢いに乗っての『亜人』もまた、冷たくあっさりとした3DCGセルルックのイメージを逆手にとり、一貫してクールな世界観を構築することに見事に成功している。

 ただし『亜人 第1部「衝動」』が公開された後、2016年1月から3月にかけて放送されたTVアニメーションシリーズ『亜人』を見ると、この劇場用映画の中で描かれていたのとほぼ同じ内容のものが、第1話から第6話までにかけて、描かれていたことに改めて気付かされる。

 これを、劇場版はTV版の総集編であるという、しごく当然の見方もできることだろうが、実はこの劇場版、単純にTV版を数珠つなぎしたものではなく、実は細かなエピソードの入れ替えなども巧みになされており、要はTV版と劇場版が競い合いながら作られているかのような印象を受けるのがユニークな点ともいえるだろう。

 さて、今回の劇場版3部作の第2弾となる『亜人第2部「衝突」』だが、こちらはTVシリーズの第7話から第13話(最終回)プラス・アルファの内容となっている。また第1部同様に細かな編集がなされていることで、TV版よりも引き締まった“映画”としての醍醐味を堪能できるので、TV版を見ているから劇場版はパスしていいとお考えの方がいたとしたら、それはもったいないとお答えしておこう。

 何よりも、このクールな映像センスは意外なまでに映画館の銀幕が良く似合う。その最たるものとして、今回は亜人部隊を率いるリーダーとして国家に挑戦し、ひいては人間への復讐を誓う佐藤の存在が前作以上に際立つことになっている。

 この佐藤という、名字しか告げられることのない中年男、一見ひょうひょうとした善人面の仮面をかぶりながら、実は冷酷非道を絵に描いたようなダーティ極まる狂気の輩ではあるのだが、そんな彼がドラマの中盤で国家相手に単身戦いを挑みつつ、さっそうと勝ち続けていく姿は実にあっぱれで、仮に自分が今後悪い奴になっていくのであれば、佐藤のようなピカレスクな魅力を持ち得た男になりたいものと、何やら倒錯した想いにまで囚われてしまうほどなのだ(大塚芳忠の声もピタリはまっているが、総じて今回はヴォイス・キャスティングが的確だ)。

 もっともそのせいで、田舎に逃げ込んで潜伏する主人公・永井圭の動向は今ひとつパッとせず、膠着状態の感はぬぐえないままTVシリーズのほうは最終回を迎えたのだが、劇場版のほうはその後さらにドラマが続き、ここに至ってようやく永井の今後に進展が見られるとともに(おそらくはこのエピソードが、やがて来るであろTV第2期シリーズの冒頭ともなるのであろう)、見る側の期待を否が応にも高めさせてくれる。

 また、作品全体の冷めた画調に見合うかのように、徹底的に体温も低そうな合理主義者の永井圭ではあるが、第1部における幼なじみ海斗との再会や、第2部での熱血漢亜人・中野攻との確執や、また彼をかくまう老婆など、人との交流によって、少しずつではあれ体の中の血が温かくなってきているのが感じ取れる。

 今回さしたる進展がまったくないわけでもないものの、それでもやはり“繋ぎ”の印象はぬぐいきれない本作ではあるが、そもそも3部作の第2弾とはそういう扱いになりがちな宿命を帯びているものでもあるから、むしろ次回の第3部で完結を余儀なくされる(はずの?)劇場版『亜人』が果たしてどのようなものとなるのかを待ちわびたい。原作は連載中だけに、映画オリジナルのラストが構築される可能性も大ではある。

 お楽しみはまだまだこれからだと割り切りながら、今回は佐藤による地獄のショウタイムを大いに楽しんでいただきたい。
(文/増當竜也)

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