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『アニメ・プロデューサー鷺巣政安 さぎすまさやす・元エイケン製作者』
(但馬オサム・鷺巣政安/ぶんか社)

 テレビアニメ草創期より続くアニメ制作会社・エイケンで活躍したアニメプロデューサーの人生を描く、但馬オサム・鷺巣政安『アニメ・プロデューサー鷺巣政安 さぎすまさやす・元エイケン製作者』(ぶんか社)。

 まず最初に感じたのは、本としての完成度の高さである。エイケンという会社の名前を知らなくても『サザエさん』をつくっている会社といえば、誰もがうなずくだろう。そんな歴史を重ねた企業で『鉄人28号』『サスケ』など日本アニメ史に残る数々の作品を手がけた人物をテーマとした一冊。だいたい、こうした本は、あれもこれも「ワシが育てた」系の自慢話の羅列。あるいは、後付け的に自分のやったことの歴史的な意義を過剰に強調して描きがちなものである。数十年前のことであれば関係者はみんな死に絶えているから、長生きした者勝ち。いやいや、つい20~30年前のことでも盛りまくって書き連ねて、晩節を汚す人は当たり前のようにいるもの。

 この本、テーマである鷺巣氏の名前が表紙に3回も書かれている時点で、相当不安を感じて読み始めた。

 ところが、この本はとてつもなく優れている。自伝だとかノンフィクション(最近は、さまざまなテーマで当事者が筆を執った形を取る作品が多いが、私はこれをノンフィクションと称することに疑問を感じている、念のため)ではなく「聞書」の形で構成しているのである。

 聞き手である但馬氏は、生まれた土地から始まり、幼少期のこと、青春期のことを、ひとつずつ丁寧に聞き出す。それに対して、ひとつひとつ答えていく鷺巣氏。語り口を正確に記録したであろう言葉は、ちょっとした自慢したい心情も、感謝の気持ちをも正確に読者に伝えていく。

 そうした中で、もっとも強く感じるのは鷺巣氏の「もう今となってはなにをいってもよいだろう」という本音である。なにせ鷺巣氏は1932年生まれ。もう、当時の関係者はほぼ他界しているだろうし、自らの人生も終盤に入っている今、何に気を使うこともないのだろう。

 そんな心情を繁栄してエイケン(当時はTCJ)入社前を語る第一章から、実兄のうしおそうじに触れては「兄貴は筆がおそい」といい、秋田書店の伝説の編集者・壁村耐三が手塚治虫をナイフで脅した話も、茶飲み話のように語っていく。

 なにせ、突如、話が女優・前田通子(日本で初めて、オールヌードになったことで有名)の話に飛んだり、完全に茶飲み話である。

 そんな、縁側で昨日の出来事を話すかのようなテンションで、鷺巣氏はあれもこれもと語っていく。まったく自分を飾ろうとする気配もなく、思い出したから話しておこうといった雰囲気に。そうして飛び出す話の中で『カムイ外伝』が『忍者武芸帳』の代替として企画が始まったことが語られる。さらに『サザエさん』のくだりでは、当時タカラが長谷川町子に商品化権のために数千万円を提示したことや「原作の絵でやってくれ」という要望に従ったら、サザエさん人形は子どもたちにニセモノ呼ばわりされ、あんまり売れなかったというエグイ話までをも語っていく。

 驚くのは、そうした生々しい話も決して、どす黒さを感じさせないことだ。『サスケ』や『カムイ外伝』を制作していたからというわけではないが、今では誰もが見えないことにして気にもしない差別の話題もフラットに登場する。でも、決して暗い気分にはならない。そこから見えてくるのは、アニメや、その関連産業が、決して社会から賞讃される仕事ではないこと。社会の底辺に置かれるからこそ、地の底から上を見上げて、世間をあっといわせようとする意志と矜恃を持つことのできる仕事だということだ。

 やはりマンガやアニメというものは社会から蔑まれるからこそ面白いのだと、改めて感じさせてくれた一冊であった。マンガやアニメに「一流企業」までもが群がる現代になっても、エイケンがいまだに本社を南千住6丁目に置いていることにも納得した。
(文=昼間たかし http://t-hiruma.jp/

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