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『心の穴太郎 穴ばっかり』
(ハミ山クリニカ/さくら舎)

 発売以来、静かに話題になり一般書店でも平積みされている、ハミ山クリニカ『心の穴太郎 穴ばっかり』(さくら舎)。これは、どう評してよいのか迷う一冊だ。

 描かれるのは、心の穴太郎というキャラクターを中心としたシュールな4コマ。「パンダ穴太郎」「フキダシの穴太郎」など、さまざまなタイトルで描かれる穴太郎の姿は虚無に満ちている。

 4コマごとに完結するストーリーを通して描かれるのは、作者自身の生きづらさの叫びである。だからといって、哲学的で難解なマンガを用いた芸術ではない。率直に「なんだかよくわからんが、すごい」という気持ちが、ページをめくるごとに沸いてくるのである。そこからは、マンガを通じて、こんなことも表現することができるのかという発見もある。

 でも、これをいかにレビューするか少々悩んだ。というのも、作者のハミ山クリニカが友人だからである。

 実は出版前の昨年末に「どこかのメディアで紹介しますよョ!」とは言ったものの、出来上がった本を一読して、大変な軽口をしてしまったと後悔した。

 作者本人が語ってくれた、これまでの二十余年の人生の叫びが、この一冊に凝縮されているのだと気づいたからだ。

 巻末に記された略歴を見ると、作者は何か高尚な人物のように感じる。学歴が東京芸術大学中退、東京大学理学部卒業である。おまけに、びっくりするほど給料がよい会社に勤務しているという……。以前から作者本人がネットに発表している一連の穴太郎を用いた作品を見ていたときは、雲の上のような才能の持ち主の高尚な芸術なのではないかという疑念も持っていた。けれども、作者本人が人生を語ったときに、私自身の目が曇っていたのだと感じた。

 作者が語る幼少期の思い出は「生ゴミを食べて命をつないでいた」等々、存外にハードモードだったのだ。実はいろいろと唖然としてしまうような話を聞いたのだが、多くは語るまい。いずれにせよ、作者の人のうらやむような学歴は、殺伐とした道しかない人生に垂らされた蜘蛛の糸だったのである。

 だが、いくら偏差値の高い大学に入ろうとも充足感はなかった。そうなれば、多くの人は自分で自分を破壊する緩慢な自殺を選択しようとする。これまでにも、高学歴にもかかわらず心の病を抱えていたりだとか、引きこもってしまったりだとか、相手を選ばない奔放な性行為に身を委ねる者はざらにいた。作者も在学中にあった、さらに衝撃的ないくつかの出来事ゆえに自らを壊そうと考えもしたという。けれども、そうならなかったのは、創作という形で破壊を望む心の叫びを紙にぶつける手段を得ることができたからだ。

 当然、世間に発表し人に読んでもらうわけだから、承認欲求というものもあっただろう。だが、あまりにも強烈すぎる心の叫びは、多くの人に共感を抱かせるにいたったのである。

 まさに、人生はどうなるものかわからない。

 冒頭に記したように静かに話題となっている、この一冊。世間の賞讃を得て作者自身は、この先どのような作品を描いていくのだろうか。一種のアウトサイダーアートともいうべき、生々しい心の内側が、どのように変化していくのか。作品を通じて見ていきたいと思っている。
(文=昼間たかし)

心の穴太郎 ―穴ばっかり

心の穴太郎 ―穴ばっかり

心の穴太郎のインパクト…

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