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『まんがの装丁屋さん』
(小石川ふに/芳文社)

 どんな職業だって、漫画にすることができる。これだけ漫画が世に溢れかえっても、世の中には漫画の数以上に、いろんな職業があるのだ。

 小石川ふに『まんがの装丁屋さん』(芳文社)は、装丁家すなわちブックデザイナーをテーマにした四コマである。装丁家が登場する漫画が、これまであったかな……と思い出すのは、サライネスが「モーニング」(講談社)で連載していた『誰も寝てはならぬ』である。この作品は、ブックデザインに限らずさまざまな仕事を引き受けるデザイン事務所を舞台にした作品であった。『誰も寝てはならぬ』は、あくまで浮き世離れした人間模様が主題だったので、実際の仕事についての描写は薄かった。対して『まんがの装丁屋さん』文字通り、装丁屋のお仕事に焦点をあてて描いている。

 物語の主人公・斉藤麦クンが面接にやってきたのは、超有名な装丁家・冬坂律の事務所。ところが、初めて出会った冬坂さんはクールな美形の仕事ができる男……ではなく、女の人であった。驚く間もなく、麦クンは履歴書の字がタイトルの手書き文字にぴったりだと仕事させられて、そのまま採用されるのである。

 さて、マンガ単行本の装丁では超人気な冬坂さんの事務所。そこは女の園である。冬坂さんはもちろん、マネージャーも2人の先輩スタッフもかわいい女の子。なんとも、羨ましい会社ではないか!

 でも、作品中で描かれるのはけっこう修羅場が日常のデザイン事務所のリアルである。もちろん、フィクションらしくたった1人の男子が、仕事重視でラフな服装の女の子たちにドキドキという展開もある。でも、それよりも重視されているのは真摯に仕事に取り組むスタッフたちの姿である。なにしろ、麦クンの初めての大きな仕事となる連載漫画のロゴのネタだけで一話を費やしてしまうくらいなのだから。

 そう。作品中で冬坂さんの「デザインには正解がない」というセリフが、すべてを象徴している。この作品が描きたいのは、作品を世に送り出すという共同作業の中で、自らの職分で全力を尽くす装丁屋さんの姿なのである。作品中に登場する冬坂さんの「ウチでは作品二の次のデザインはいらない」という言葉は辛辣である。でも、この事務所の仕事は商業出版物である。商業出版物は、作家と編集者、そしてデザイナーが共同で作り上げるものである。単に文章やマンガが優れていたとしても売れない。でも、多少内容がアレでもデザインが美麗なら読者は手に取ってくれる。内容に多少不満があってもデザインがよければ、それもカバーしてくれるものである。

 すなわち、装丁家とは本の内容とコンセプトを徹底的に理解して、ベストな回答を導き出す苛烈な仕事なのである。

 四コマゆえに、物語はほんわかと描かれているが、ところどころでピリリと辛い。前書きで「この作品はフィクションです」と大きく書きたいと編集に申し出たら「本を読む前に水を差すようなコト許せませんねえ」と編集に極上の笑顔でいわれたと記す作者。たとえフィクションだとしても、本をつくるという作業がいかに多くの人の知恵によって成り立っているかが、わかる作品。同人誌が隆盛し、ネットで直接読者に作品を届けることができるようになっても、商業出版の優位は崩せない理由が、この作品でよくわかるんじゃないかな?
(文=ピーラー・ホラ)

同人誌に対する商業出版の優位も自ずと理解できるハズ 小石川ふに『まんがの装丁屋さん』のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ作品レビュー出版業界事情まんがの装丁屋さんデザインには正解がないブックデザイナー同人誌小石川ふにの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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