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『まんが家総進撃』
(唐沢なをき KADOKAWA/エンターブレイン)

 先頃、大塚志郎『漫画アシスタントの日常』(竹書房)をレビューしたわけですが、漫画家の真実を描いている作品として、もっとも知名度を誇るのは、3巻が発売になった、唐沢なをき『まんが家総進撃』(KADOKAWA/エンターブレイン)でしょう。『漫画家超残酷物語』『まんが極道』から続く、この作品には「絶望」という言葉がよく似合います。

 この作品のルーツは最初の『漫画家超残酷物語』というタイトルからも明らかなように、永島慎二『漫画家残酷物語』をモチーフにした作品です。まあ、思いっきりパロってるエピソードもあるくらいですから、オマージュというか原案というか……。

 そんなパロディから始まった作品ですが、連綿と描かれる中で独特の作品として進化してきています。『漫画家残酷物語』は1960年代の劇画ということもあり、とことん暗いです。笑いなどなく、才能に挫折する漫画家や落ちぶれるかつての人気漫画家、貧乏漫画家のわずかな幸せなどが描かれます。けっこう救いのないエピソードが多くて陰鬱な気持ちになります(復刻や電子書籍で簡単に入手できますので、あらゆる表現関連の仕事を志す人は必読です)。

 翻って、唐沢の作品は悲惨を描きながらもギャグへと昇華しています。でもギャグへと昇華しているからこそ、ちょっとでも業界の事情を垣間見たことがある人は恐怖を感じるのです。

 今回冒頭では「家でできる仕事だよな漫画は」と父親の介護を押しつけられる漫画家が。ラストでは締切間近なのに母親が死んでしまい、通夜や告別式で白い目で見られ、親類縁者に邪魔されながら必死で描く漫画家の姿が描かれます。どちらも、漫画家のみならずライターからデザイナーまで、経験したことがある、あるいは、あり得る未来ではないでしょうか。

 以前、知人の編集者が職場で「親友が危篤なので早退したい」と申し出たところ上司に「締切前になのにふざけんな」といわれた体験を聞いたことがあります。どちらが正しいのか、私はいまだにわかりません。けれども、自分の才覚を売り物にしている以上、そういうことはあり得るのだと知っておいたほうがよい気がします。

 そして、作品中には様々なヤバい漫画家たちが登場します。中でも、作品を描き上げる才能もないのに「出版社や編集部を介さなくても自分で世界に向けて作品を発信することができるのですよ、今は」と言い放ち、なぜかネットで自ら炎上しまくるキャラのエピソードは教訓的です。近年、メディアそのものが「バズる」という言葉を使い、とにかく注目を集めることにだけ傾注する動きが顕著です。

 でも、やっぱり表現を世に送り出すということは作り手の真摯な気持ちと、作品を読者へとつなぐ編集者の目線がなければ成立しないのです。だって、単なるビックリドッキリの洪水やクズの山をいくら築いても意味はないではありませんか。

 作品中に登場する痛すぎるキャラを見て、せせら笑うだけではなく、いつか自分もそうなるのではないか。すなわちキャラは自分の鏡だと考えて読めば作品の深みを、より感じ取ることができると思います。

 と、しごくマジメに記してみました。でも、いつも読んで思うのは、ところどころに登場するエッチな絵がレベルが高いことです。いつか唐沢先生には変態妄想全開のエロマンガに挑戦して欲しいものだと願って止みません。
(文=大居候)

せせら笑うな、教訓として読め! 唐沢なをき『まんが家総進撃』第3巻のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ作品レビュー出版業界事情まんが家総進撃まんが極道エンターブレイン唐沢なをき漫画家超残酷物語の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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