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「マガジン・マガジン」公式サイトより。


 東京都の不健全図書指定でボーイズラブ(BL)が指定図書となる事例が増えている。

 今年度に入ってからの不健全図書指定数は15冊あるが、そのうち6冊はボーイズラブ単行本だ。これは、東京都がすでに「ボーイズラブ=女性が性欲を満足させるためのエロ本」だということを完全に理解していることを示している。

 そうしたボーイズラブ系出版社の中でも、特に指定数が多いのがボーイズラブジャンルの老舗出版社として知られるマガジン・マガジンだ。同社はかつては雑誌「JUNE」の発行元として知られた会社。このジャンルでは、老舗中の老舗の出版社であるにもかかわらず、発行した単行本が指定される例が相次いでいるのだ。

 東京都の不健全図書指定制度を定めた東京都青少年健全育成条例では、1年間に通算6回の指定を受けた出版社は都知事名で名前を公表されることになっている。つまり、青少年に有害な書籍を発行する“札付き”の出版社として広く名前を告知されるわけだ。

 これまで、この条例の適用を受けた出版社は存在しないため、名前を公表された時にどのようなことがあるかは、わからない。ただ、取次が配本を拒否するだとか書店が入荷を断るといったことも予想される。

 そうした事態を避けるため、これまで過去1年間で指定回数が複数回に及んだ出版社は、発行元を別会社に変更するといった手段で切り抜けてきた。双葉社におけるエンジェル出版などが、それだ。

 それでも変更前と変更後の出版社で1年間に合計6回の指定を受けた事例はなかった。

 ところが、マガジン・マガジンは新たに登記した別会社(いわばダミー会社)のサン・メディアレップでも2度の指定を受け、両社併せて1年間で通算6回に達してしまったのである。

 発行元が変更されているとはいえ、サン・メディアレップの出版物の奥付には発売元としてマガジン・マガジンの社名が記されている。つまり、両者が同一の存在であることは、誰の目にも明らかなわけだ。こうした事態になり東京都はどういった対応をとるのか。東京都青少年課の野村朋美課長は語る。

「もちろん、こちらでも把握していますが、あくまでみているのは発行者のほうです。ですので、これはどうかなという思いはあるのですが……業界の自主規制に任せるしかないと考えています」

 東京都は、あくまで静観する構えの様子。一方、業界ではいくつかの動きも始まっている。マガジン・マガジンも加盟している日本雑誌協会の倫理専門委員会では、10月になり同社に対し委員長名で注意を求める文書を送付。すでに今年に入りマガジン・マガジンが4回目の不健全指定を受けた際に注意は行っているが、改めて更なる注意を求めている様子だ。

 不健全図書指定制度にはさまざまな議論があるが、9月に指定されたサン・メディアレップの『教師玩具』という単行本は帯に「ボクは人間ポルノ玩具」とまで書いている。ほぼ肌色な表紙イラストと併せて男性向けのエロ本であれば確実に成年向けマークの自主規制を行う装丁であろう。

 ボーイズラブに詳しい業界関係者は「作り手にも読者にもボーイズラブがエロ本だという意識が薄い」とも語る。だが、昨今不健全指定されているボーイズラブを「エロ本だ」と指摘されて反論するのは困難なはず。より自由に描ける空間を得るために、ボーイズラブにも18禁表示を実施することを真剣に考えなくてはならない時がきているようだ。
(取材・文=昼間 たかし

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