2015年6月、10代の女の子たちに共感しながら読んでほしい、ポップで可愛らしいライトノベルが誕生した。

本の名前は『タイムライン・ガール』。「乙女の気持ちを全力で想像しながら書きました」という同作の作者は、大ヒットボカロ曲『1/6 -out of the gravity-』を生み出した「VOCALOID」のプロデューサー・ぼーかりおどP(以下、おどP)さんだ。

おどPさんといえば、生音のバンドサウンドとストーリー性のある歌詞に定評があるボカロP。その想像力の豊かさに注目され、このたび完全オリジナルストーリーの小説出版に至った。ボカロ曲のノベライズではない。音楽とは違う文字の世界でおどPワールドがどのような化学変化を見せるのか、その目で見て感じてほしい。

 出版元のビーズログ文庫アリス(KADOKAWA)は、乙女向けラノベであるビーズログ文庫の姉妹レーベルとして2015年4月に創刊したばかりだ。「イマドキ女子の“欲しい”も“好き”もぜんぶ叶える」をコンセプトに、恋愛だけではない幅広いジャンルを生み出している。その試みの一つとして、ボカロPにオリジナル小説を書いてもらうという、ありそうでなかった挑戦に踏み出した。

活字離れが進む現代で、この挑戦が吉と出るか否か。筆者も興味津々で、初出版の熱も冷めやらぬおどPさんにインタビューさせていただいた。

――初出版おめでとうございます!『タイムライン・ガール』は6月15日に発売されたばかりですが、出来上がった本を手にした時はどんなお気持ちでしたか?

おどP 初めはまったく実感がありませんでした。ホントにこれ自分の本? といった感じで。だから発売日にこそっと本屋に行ってみたんです。そこで自分の本が並んでいるのを見たら、「ああ、出たんだな」と実感し、じわじわと感動の波が来ました。

――これから全国どこの書店でも自分の本を見られますね。

おどP 嬉しい……というより、なんだか怖いですね。いや、嬉しいは嬉しいんですけど、書店で自分の名前を見るたび、人の反応やら気恥ずかしさやらでだいぶビビっています(笑)。

――うーん。確かに本屋で自分の名前を見たらちょっとびっくりするかもしれません。ところで、この本はどんなストーリーなんですか?

おどP 3本の短編集になっています。それぞれのタイトルが「アカシックレコードあります」「セカンドラバー」「バカっていう方がバカ」といい、主人公の女の子がそれぞれ違います。読んでくださる同世代の女の子たちに共感してもらいたいという思いから、活発な女の子、大人しい女の子、男らしい女の子といったまったく違うタイプのキャラを描きました。

おどPさんの言う3つのタイプの女の子と、それぞれのあらすじは次の通り。


「アカシックレコードあります」
 動画サイトの生放送視聴を趣味とする井乃瀬明日可(いのせあすか)は、ダイエットに夢中の活発な女子高生。ある日、そんな明日可のスマホに「明日の予告」が届くようになる。差出人もわからない、返信もできないそのメールはいったい――?

「セカンドラバー」
 すらりとした長身の女子高生・野藤真理愛(のとうまりあ)は、大人しくひっこみ思案な女の子。そんな彼女には、誰にも言えないヒミツの力があった。その力のせいで思い悩む彼女だったが、クラス一丸となって作り上げていく文化祭を通して、少しずつ自分の運命と向き合うようになり――?

「バカっていう方がバカ」
 思ったことをズケズケと口にしてしまう女子高生・子安阿子(こやすあこ)は、悪口を言うと体に電流が走るとんでもない高校に入学する。聡明な阿子は一度も罰をくらわないまま自由に学校生活を送っていた。しかし、ある日突然その事件は起こる――!

――キャラそれぞれに個性があるのですね。表紙や挿絵は人気イラストレーター・明菜(あきな)さんのイラストですが、出来上がってきた時、おどPさんの想像の中のキャラクターと違いはありましたか?

おどP どんぴしゃすぎてビックリしました! 明菜さんにキャラクター設定をお渡しした段階ではまだ原稿が荒削りで、お伝えしきれていなかった部分があると思うんです。  それなのに、出来上がってきたイラストはあまりにイメージ通りで、ホントに驚きました。修正依頼はほとんどなく、表紙の女の子の髪の長さと靴下の長さを短くしてほしいとお願いしたくらいですかね。

 逆に、明菜さんのイラストを反映させていただいたキャラもいます。3つ目の「バカっていう方がバカ」の主人公・阿子の服装が、制服のスカートにジャージの上下を着ているのですが、これは僕が考えたのではなく明菜さんのイラストをキャラとして落とし込みました。

――なるほど。明菜さんとおどPさんの出会いで、新たなストーリーが広がったわけですね。ところで、今回小説を書くことになったきっかけは何だったのですか?

おどP 僕の作ったとある曲をノベライズしないかとお話をいただいたことがきっかけです。とはいえ、僕は自分の曲をノベライズする気がなかったため、これまでもそういったお話はすべてお断りしていました。

 そんな中で、ビーズログ文庫アリスさんは、曲のノベライズではなく、「ボカロPとしてオリジナル小説を出さないか」とご提案してくださいました。なんの実績もない僕には大きな冒険でしたが、それなら挑戦してみたいとこのお話を受けさせていただいたんです。

――新しい挑戦をしたいと願う両者の思いが、今回の出版につながったのですね。では、小説の中でおどPさんが一番好きなシーンを教えてください。

おどP 難しいですね……。どこか一つを選ぶことができませんが、強いて言うなら「セカンドラバー」のすべて。いくつか出したプロット案のうち、このストーリーだけはすんなり収録が決まって、最初からはっきりとしたヴィジョンを持って書き進められた作品なんです。

 僕自身、思い入れの強い一作ですから、皆さんにも楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。


ボカロPが完全オリジナルのライトノベルを執筆! ぼーかりおどPに聞く『タイムライン・ガール』誕生秘話の画像2

おどPさんと担当さんが一番好きだという挿絵

――「音楽を作る」「本を書く」はどちらもクリエイティブな仕事ですが、どういった面で違いを感じましたか?

おどP 音楽も本も、聞いてくれる方や読んでくれる方に「共感してもらえる世界観を創る」という意味では同じだと思います。ただ、それぞれの密度は大きく違い、そのギャップにずいぶん悩みました。曲は5分の中にストーリーを生み出しますが、本には200ページの分量が必要ですから。  当然分量の多い本のほうが書きたいことや言いたいことを表現しやすいのだと思います。でも、それを200ページにわたってまとめていくとなると、もうホントにたいへんで(笑)。歌詞と文章は同じ「文字で表現するもの」ですが、使うべき脳はまったく別物。その難しさを痛いほど感じました。

 実は、僕は高校生のころスニーカー文庫の賞に応募していたことがあります。当時はお金ほしさに応募しただけなんですけどね(笑)。でもそのころから、心のどこかで小説を書いてみたいという憧れがあって、今はとにかく夢が叶ったことが嬉しくて、ただただ信じられません。

――「賞金ほしさに賞へ応募」は物書きの“あるある”かもしれませんね(笑)。では最後に、このインタビューを見ている読者へメッセージをお願いします。

おどP 読者の皆さんには、主人公の女の子たちに自分を重ねてほしいと思いながらストーリーを考えました。「自分にもこんな不思議な物事が起こりそう」とワクワクしてもらえたら嬉しいです。

ボカロPが完全オリジナルのライトノベルを執筆! ぼーかりおどPに聞く『タイムライン・ガール』誕生秘話の画像3

ビーズログ文庫アリスから6月に刊行された4冊

 おどPさんの担当編集者さんは、「おどPさんの作る曲と歌詞に、いつも豊かなストーリー性を感じていました。その想像力を活かして、ぜひオリジナルの小説を書いてみてほしいとご依頼しました」と出版に至ったいきさつを明かした。

 また、一本のストーリーではなく短編集にしたのは、「打ち合わせを進めていく中で、おどPさんがさまざまな引き出しを持っていらっしゃる方だと改めて感じました。そこで、一つのストーリーを一冊にまとめるのではなく、ジュエリーボックスのようなキラキラしたお話が散りばめられた本にしたいと思ったんです」という目的があったそうだ。

 インタビュー後、筆者も本を読ませてもらったが、この作品一番の魅力は、読みやすく本の世界にすっと入り込めるところにある。そして、一つ一つのストーリーに独自のカラーがあり、一気読みしても読者を飽きさせない。若い世代だけでなく、世知辛い日常に疲れてしまった人にも読んでみてほしい一冊だ。

 同作は、全国の書店のほか、アマゾンや楽天ブックスなどのネット販売でも手に入る。その他、ビーズログ文庫アリスの特設サイトでは、同作の試し読みが可能。本から抜粋した9ページものおどPワールドからは、読書心をくすぐるドキドキの展開が垣間見られる。

 なお、おどPさんは現在、『タイムライン・ガール』のイメージソングを制作中とのこと。ボカロ曲のノベライズではなく、小説を音楽に濃縮する新たな試みは、さしずめ小説のムジカライズとでもいうのだろうか。『タイムライン・ガール』のためだけに作られたサウンドを聴きながら読書にふける、そんな贅沢な時間をぜひ体感してほしい。
(取材・文/牧野絵美)

▼ビーズログ文庫アリス公式WEBサイト http://alice.bslogbunko.com/
▼「タイムライン・ガール」作品紹介ページ http://alice.bslogbunko.com/sp_timeline/

ボカロPが完全オリジナルのライトノベルを執筆! ぼーかりおどPに聞く『タイムライン・ガール』誕生秘話の画像4

■作者プロフィール
名前:ぼーかりおどP(noa) P名の由来は“ボーカロイド”をミスタイプで“ぼーかりおど”と打ったことから名付けられた。

タイムライン・ガール (ビーズログ文庫アリス)

タイムライン・ガール (ビーズログ文庫アリス)

「イマドキ女子の“欲しい”も“好き”もぜんぶ叶える」

ボカロPが完全オリジナルのライトノベルを執筆! ぼーかりおどPに聞く『タイムライン・ガール』誕生秘話のページです。おたぽるは、catインタビューその他マンガ&ラノベライトノベル音楽ぼーかりおどPインタビュータイムライン・ガールビーズログ文庫アリスボーカロイドの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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