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ブルージャスティスここにあり!第2巻(マイクロマガジン社)

 昨今、ウェブ小説で面白い作品を見つけて商業化する流れも当たり前になってきた。そうした中、編集者のキュレーション能力がとても高いと感じるのが、マイクロマガジン社の「GC NOVELS」レーベルだ。ニッチだが、確実に面白い作品を見つけ出してくる。選別眼がものすごく冴えているのだ。

 現在、同レーベルから2巻まで発売され話題となっているのが、竹内すくね氏の『ブルージャスティスここにあり!』。

 物語の主人公・青井正義は、悪の組織の戦闘員として働く男。そんな男が、車椅子の少女・白鳥澪子から「ヒーロー派遣会社 社員募集」のチラシを受け取ったことで、物語は始まる。つまり、“悪の組織の戦闘員でありながらヒーロー”という主人公の、とんでもない二足のわらじ生活を描いていくのだ。

 物語の冒頭、世界観が示される。かつて時の総理大臣が発案したヒーロースーツの採用によって、悪は次々と滅びた。しかし、そんな平和もつかの間。ヒーロースーツが民間に流出したことで、誰もがスーツの持つ力を使えるようになってしまった。それからは悪の組織もヒーロースーツを使う。比例して、続々と登場するヒーロー同士が小競り合いを起こすようになり、もはや誰もヒーローを賞讃しなくなっていた。

 こんな世界では、ヒーローの仕事もしょせんは小銭稼ぎだ。なにしろ、ヒーローの出動を要請するのが、悪の組織に脅されている商店主だったりする。おまけに、悪の怪人を倒しても戦いの最中に壊したドアは弁償しなければならない。とてもシビアな世界だ。

 青井は、「ブルージャスティス」という恥ずかしいヒーロー名をつけられ、出動することに。最初のヒーロースーツは、宴会芸みたいな馬のマスク。その後も、すり切れたマントだけとか、悪の組織の発明家爺さんにもらったグローブ片方だけなど……とことん酷い扱いを受ける。もちろん、ラノベらしく萌え要素もある。悪の組織の仕事でもヒーローの仕事でも、乙女たちが絡んでくる。

 しかし、本作を本当に盛り上げるのは、悪の組織の下っ端としてやさぐれた男が、ヒーローとの二足のわらじ生活の中で、生きる目的を見いだそうともがいている姿だ。

 その悩み深く迷走する主人公がとことん格好いいのは、一人称が「俺」の、そこはかとなくハードボイルドなタッチで綴られる文章によるところが大きい。

 悩めるからこそ哀愁が漂い、格好いい主人公。既刊2巻まででも、グッとくる文章があちこちにある。

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この国には正義の味方(ヒーロー)がいる。もちろん悪いやつもいる。正義と悪は光と影で表裏一体。どっちかが欠けても調子が悪くなるもんだ。

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 決して悟っているわけではない。それが、当たり前の日常をどう生きていくのか……その答えを、主人公は探している。設定だけ見れば、ドタバタな雰囲気で展開する物語を感じさせるだろう。しかし、実際に2巻まで通読すると、本作が青春小説であることを突きつけられる。

 果たして、これは最初から作者の意図なのか……。

 いずれにせよ、善悪を分かたぬ中で、人はもがく。「それが人生だ」と、この小説は教えてくれるのだろう。2巻のラスト近く、青井は思う。

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いいじゃねえか、別に。ほっといてくれ。……正義なんてものは人の数だけあるんだろう。

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 割り切れない感情の中で、進んでいく物語。それは、どこかフランス映画的な詩情を感じさせてくれるのだ。
(文/是枝 了以)

■『ブルージャスティスここにあり!』公式サイト
http://micromagazine.net/gcn/blue/

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