『スメルズ ライク グリーン スピリット』同性婚も話題となる今…シリアスにジェンダーへ踏み込んだBLの傑作の画像1
スメルズライクグリーンスピリット SIDE:A(ふゅーじょんぷろだくと)

 残念系イケメンの賑やかな部活ギャグを描いた『青春エレジーズ』(新潮社)の単行本第1巻が今年2月に発売され、コミカルな笑いを巻き起こして話題となったマンガ家・永井三郎氏。もともとBL作家としてデビューし、持ち前のセンスで、コメディというよりもはやシュールなギャグ作品を手がけていた永井氏だが、今、改めて氏のBLの金字塔ともいえる『スメルズ ライク グリーン スピリット』(ふゅーじょんぷろだくと)に注目が集まっている。そこで本稿では、そんな本作の魅力を普段BLを読まない人にもわかるように紹介したい。BL界でも今までにないくらいだと物議を呼んだ、シリアスな目線でジェンダーに踏み込んだ作品となっている。

  “ナヨナヨして長髪でホモっぽいから”というだけの理由で、クラスの男子生徒からイジメを受けていた三島は、本当に男が好きで女装が趣味。一生このことを隠し続けて生きていくのだろうと思っていたが、ある日の屋上で、三島をイジメていたリーダー格の桐野がこっそりと口紅を塗ろうとしている現場に遭遇してしまう。それ以降、実はオネエだった桐野と三島の二人は、屋上でだけ打ち解け合うようになった。だがしかし、もともと女の子のように可愛らしい三島を、教師の柳田が目をつけたことで事態は急変。柳田は執拗に三島に近付こうとし、襲いかかろうとするのだが──。

 今は「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)」をカミングアウトしている芸能人も多く活躍しているが、やはり一般人で自分の性癖をオープンにできている人は少ない。それは世の中の認知度や理解度が低いことも、大きな原因に挙げられるだろう。この作品では、三島と桐野、そして不用意に三島に恋心を抱いてしまった男子・夢野などの、「これでいいのか?」という、同性愛に対する複雑な心模様が描かれている。やがて、周囲の人のことなら、誰でも何でも知っているというほどの狭いド田舎の中で、“三島と桐野の関係が怪しい”と噂にのぼり、その話は彼らの母親の耳にまで届く。女手一つで息子を育てた三島の母の対応と、厳格な家庭に生まれた桐野の母親の対応の違いは、世の中の人々のさまざまな反応と重なるだろう。もちろん、否定派で過剰な反応をするのは、桐野の母親だけではないはずだ。

 思春期特有の、同性に対する淡い恋心を抱く時期は少なからずあるかも知れない。自分は同性が好きなのだと思ったり、自分の本当の性別は身体とは違うのだと感じたり……。しかし大人になるにつれ、多くの人がそれは一時の感情だったことに気付く。ただし、中には本気で悩み、誰にも相談できず、苦しんでいる人が存在することも確かだ。性同一性障害や同性婚が注目を集めている昨今、このマンガはジェンダーに強く踏み込んだ作品だ。「男同士」ということにあまり強く疑問を抱かないような、ふんわりした世界観の単純なBL作品の枠に当てはまらない視点と描写で、スリリングな危機感と苦い感動を呼ぶ。桐野が三島をイジメていた理由は羨望で、夢野が三島をイジメていたのは「好きな子ほどイジメたくなる」という拙い理由なのも、思春期ならでは。

 夢野が三島にキスを迫り、そのままズボンを……となったところで、夢野は不意に逃げ出してしまう、というエピソードも、この作品のリアリティを象徴している。三島にチ◯コがついていることは承知の上だったのに、夢野が夢想していたものと現実が異なったため、実際にそれを見てしまった途端に熱が冷めてしまったのだ。そのことを知った桐野は、三島のもとに駆けつける。「大丈夫」と言いながらも、涙する三島の傷ついた心を、一体読者の何割の人が本当に理解することができるだろうか? やがて同性愛者の“桃源郷”を求めて東京に出ようとする三島と桐野も、複雑な事情が絡み合って、結局は途中で断念して帰宅することになる。しかしその頃、夢野は母親に後押しされて、自分の本当の気持ちに気付くのだった。

 少年たちが思春期に悩み、壁に当たり、冒険し、傷付いていく。三島、桐野、夢野の三人の高校時代や、エピローグに描かれる数年後を読んでみると、もしかしてこの作品は、決してハッピーエンドとはいえないのかも知れない。しかし、ただそれだけではなく、失ったものもあれば、得たものもあった。やがて年月が経ち、別々の道を歩き出した三島と桐野。その頃夢野は──? BLというジャンルにおいて、本気で同性愛を扱った作品を読む気なら、この『スメルズ ライク グリーン スピリット』は外せない作品となるだろう。全2巻で、「SIDE;A」と「SIDE;B」に分冊されているが、要するに上下巻だと思ってもらえればいい。決して表紙買いするタイプのマンガではないが、読めば必ず満足する作品だと思う。
(文/桜木尚矢)

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