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花井沢町公民館便り(講談社)第1巻。

 3月末に1巻が発売となったマンガ『花井沢町公民館便り』(講談社)が描く物語は、どこかの地方都市と思しき花井沢町の穏やかな日常。そんな生活の記録を、「第○号」として綴る一話完結の物語だ。

 しかし、物語の冒頭「第1号」で、読者は日常と非日常の境界を告げられる。扉をめくった次のページに描かれるのは、リヤカーを引く若い女性。その先に待つのは、喪服の人たち。彼女が運んでいたのは、リヤカーに載せた祖母の遺体。喪服の人々は、女性にワイヤーとフックを渡してリヤカーにつけさせると、そのリヤカーを引いていく。

 そして、夜。女性は公園で男性を待っていた。そこではまた不可思議な会話が続く。

「髪伸びたもんね」

「……もう誰も切ってくれる人いないからね 自分で切るけど」

「……おばあさん亡くなったんだね」

「……うん わたし一人なんだ……」

「――一度でもきみとキスしたり抱き合ったりしてみたかったな」

 物語の始まりは、2055年という少し先の未来。物語の舞台となる花井沢町は、シェルター技術を開発中の事故に巻き込まれ、外界から隔絶された町となった。シェルターは“生命のあるものは通さない”というものだ。

 それゆえ、町の人々は一生をシェルターの中で過ごし、その町はいずれ滅びる運命を決定づけられている。物語は、そんな町の日常をさまざまな時代と人々にクローズアップしながら綴っていく。

 この物語の先に、読者は間違いなく3.11後の日本を見るだろう。未曾有の大震災は、いくつかの地域の人々に平凡な日常を送ることそのものが困難となる状況を生んだ。そこに寄せられるのは、哀れみと好奇、あるいは、政府の支援に対するやっかみ。

 この物語は、やがて現実に来るであろうことを寓話的に描いているようにも見える。

「第2号」。シェルターの境界のところで開催された、花井沢町に向けたコンサートに出演する男性アイドルグループに、町の女子中学生たちは狂喜する。

 けれども、コンサートの終盤でアイドルたちの発した「ぼくらのほうが勇気をもらっちゃうな」の一言に、彼女らは急に冷めていく。

「『勇気』とかあげてないのに勝手にもらわないでほしい」

 そう言いながら、彼女らは笑い、泣く。それは、憐憫を受ける自分たちへの嘲笑であり、悔しさである。こうして、平凡な日常というものがいかに困難なことであるかを読者は知るのだ。

「第5号」。Twitterと思しきサイトで「都内の大学生」と偽って「外」の人々と交流していた青年。外の世界を知らない青年は、ある一件から花井沢町の住人であることを知られ、擁護と煽りのツイートに、自分の置かれた境遇のつらさを初めて知って涙する。

 各話は独立した構成だが、物語のあちこちで空き家になった家、あるいは朽ち果てていく公民館が描かれ、町が滅びに向かっていることを静かに読者に告げている。

 物語を通じて読者が知るのは、「ここではない、どこか」を求める自由を持つことへの喜びか、あるいは、日常を生きること自体が戦いであるという冷徹な事実か。いずれにせよ、物語は現代日本の現実を描いているように見える。
(文/是枝了以)

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