※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

『恋は雨上がりのように』島本和彦も賛辞! 中年おやじが読むと身悶えするマンガの画像1
『恋は雨上がりのように』第1巻(小学館)

 この、中年おやじが「ああ、俺にもまだ希望があるかも」と胸をキュンとさせてしまうような作品はなんなのか。そんな感想を抱いたのが、眉月じゅん氏のマンガ『恋は雨上がりのように』(小学館)だ。1月に第1巻が刊行されたこの作品、早くも三刷となっている。なんでも、マンガ家・島本和彦氏がTwitterで本作について「俺だけは認めてやろう!」とつぶやいて以降、じわじわと反響を得ているそうだ。

 本作のヒロインの橘あきらは、少しクールな感じのする高校2年生。そんな彼女が片思いしている相手は、バイト先のファミレスの店長だ。

 この店長だが、まったく冴えないバツイチ子持ちの45歳。若い客に石焼きビビンバが焦げすぎだと怒られペコペコと頭を下げる姿を、パートのおばちゃんにまで「情けない」と見下される、本当に冴えない中年だ。作中の描写によれば、この店の店長になって6年目ともなるのに、昇進の話はまだないというから本当に冴えない。

 そんな冴えない中年を、あきらはなぜ好きになったのか……それはこの第1巻の終盤で明らかになるが、いうなれば冴えないゆえに人の気持ちがよくわかる男なのだろう、きっと。

 そんな店長が大好きなあきら。とにかく感情表現が苦手だ。「すき…」と熱い視線で店長を見れば「そんなに睨まないでくれよ」と返される。おまけに店長と来たら、その熱視線を「ゴミでも見るような目だったな」と、卑屈。それゆえ、あきらの純な気持ちに気づくはずもない。

 職場で怪我した際、それを心配した店長から電話をもらっただけでドキドキするあきら。見舞いに来てくれた店長に、ついに告白――

「あたし、店長が好きです」と言うのに、店長といえば「いや~俺、てっきり嫌われていると思っていたよ~」だと! このまま、まったく進展がないままに物語が進むのかと思っていたら、そんなこともなく……。雨の中、びしょ濡れで店の裏口にやってきたあきらは、店長に「あなたのことが好きです」と。

 なんという、シンプルかつストレートな展開! 思わず身悶えする場面だが、きっとおっさんが「俺にもまだ青春が!」と七転八倒しながら読んでいると考えると色々複雑な気持ちになる。作者はこれが初の連載作品。こんな中年が歓喜するシチュを生み出すなんて、天才ではないだろうか。

 2巻は4月発売予定なので、身悶えしながら続きを待ちたい。
(文/是枝了以)

おじさん図鑑

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ああ、愛しきおっさん。

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