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『神撃のバハムート GENESIS』さとうけいいち監督。

 現在、放映中のテレビアニメ『神撃のバハムート GENESIS』。Cygamesが提供するソーシャルゲームをもとにした全12話、1クールで綴られる物語はすべてがオリジナル。そして、すべてが規格外の作品だ。なにしろ、製作委員会方式が当たり前になったテレビアニメにあって、この作品はCygamesによる一社製作。そして、作品のクオリティも劇場版の域に達している。テレビアニメなのに、音楽はテレビドラマ『相棒』をはじめ、数々の作品で活躍する池頼広氏が都度、劇伴を制作しているという。さらに、各話の中で色も場面に応じて次々と変わっていく……。カット数の多さのみならず、あらゆるシーンがテレビアニメという企画を飛び越えているのである。

 そして、本作品の監督・さとうけいいち氏も規格外のリテイクを繰り返し、ハイレベルな作品に仕上げているという話も聞こえてくる。

 まさに10年経っても「面白い!」といえそうな作品。最終話に向けて、この作品の魅力をもっと知るべく、さとう監督へのインタビューを敢行した!

――(註:取材は第8話放送直前)まず気になるのは、アザゼルはあれで終わりなのかなと?

さとう 第8話で死に損ないで姿を見せますが、そこからどう悪魔として振る舞うのかを見ていただければ……。でも三下は三下ですよね(笑)。(アザゼルは)私が「三下は三下」と話していたんで、シナリオライターさんも第7話で退場する流れで書いていたんですが、生き残っちゃったんですよね。もう用済みになったアザゼルが、どうやって後半のドラマがめくれてくる中に絡んでくるかを描いたほうが面白いだろうなと思ったんです。悪魔の能力は持っているけれど、不幸なヤツがいてもいいじゃないかと。

――本作はアザゼルだけでなく、女性キャラも魅力的ですね。アーミラが酔っ払うと可愛くて仕方ないです。これも監督のなにか意図が?

さとう なんでも監督の責任にするのはやめてください(笑)。スタッフの中にも遊び心が旺盛なヤツが何人もいますから。で、彼女の子供っぽさの理由は、第8話ですべて明らかになりますから【註:この後OAを観て明らかになりました!】。

――作品のヒロインの中では、ジャンヌ・ダルクの人気が急速に高まっているような印象も受けました。

さとう バハムートは海外でも放送するということは最初から頭の中にあったので、「(海外では)強い女性が支持される」ということは最初から想定していました。日本においても、ジャンヌのような強い自分の意志を持った女性というのは好かれているのかなと思っています。この作品において、自分探しの弱いキャラクターというのは企画段階からあまり出て来ない。私自身、もともとそういうタイプの作品が苦手なんです。今回の作品も、そこに準じて作っていますから、そこが支持されているのは嬉しいかなと思っています。

――ちなみに、監督が作品中で最も好きなヒロインというのは?

さとう リタですね(笑)。リタが “ザ・さとうキャラ”的なのは、事実だと思います。ちょっとドラスティックだったりシニカルなキャラクターというのが、もともと好きなんです。

――そういったタイプの女性を「好き」と感じるようになったきっかけとなる体験や作品があるのでは。

さとう う~ん、どうなんですかね。影響されている映画やドラマは昔からあります。叶わぬ恋のようなものが大好きなんですよ。アンドロイドだったり人外的なものが人間と触れた時に意思疎通はできないんだけど、パッと見の怖さは置いておいて、次第に愛おしく見えてくる……そうしたキャラを演出するのが好きなので、どこかにその好物な部分を出しているんだと思います。

――具体的にどういった作品が?

さとう 『シザーハンズ』とか、ティム・バートンの映画の中に出てくるキャラクターは、男たちを含めて好きですね。


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神撃のバハムート GENESIS公式HPより。最終回直前!

■さとうけいいち監督のアニメづくりとは?

――そうした作品が、さとう監督ご自身の制作にも影響されているのでしょうか?

さとう 影響はしていると思いますね。70年代後半から外国映画や海外ドラマを好んで見ていました。そうした作品を通じて、日本の作品にはない登場人物同士の距離感だったりとかは学んだと思っています。私は実写もやっていて、昨今脚本を読んでいると、アニメのシナリオライターさんが入ってくると説明過多になる傾向が多いですね。私が(スタッフに)実写畑の人を呼んでくるのは、そういう理由からです。

――アニメは脚本として、感情まで台詞で語ることが多い?

さとう 多いですよ。キッズたちが観る特撮を含めて色々とやってきましたが、アニメも近しくなっています。それは、原作物が多いからなのか、ライトノベルのように感情まで語って補完する作品が増えているからなのか……。

 でも、最近は日本のテレビドラマも含めて「語っちゃってるな」と感じる作品は多いと思います。バラエティ的なドラマの作り方が増えている弊害は大きいと思っています。だから、できるだけ自分は『TIGER & BUNNY』の時からシナリオでいえば「……」が描かれている部分、表情や間で見せる演出をやっています。その部分を台詞にするのはやめようと。今回も、演じてくれている役者さんには「間のところは、間の演出をちゃんとやっているから、お決まり的なリアクションはいらないよ」と、ちゃんと言っています。アニメだとよくある「うっ」とか「ぐっ」とかは極力入れないようにしているので、役者さんもやらなくなりましたね。多くの演者さんが、私の作品を観て勉強したんでしょうけど、ダビングという作業で「(そういった演技の部分は)使わなくていいですよ」と言い始めましたよね。『神撃のバハムート』では特に多いですね。

――そこまで熱意をもって仕事ができるのも、作品の価値だと思います。

さとう やはり、最近(のアニメ)は原作物が多いじゃないですか。そういった中でも皆さんハイレベルな物づくりはされているわけで、それとは違って“ゼロからコップをデザインする”とか“机をデザインする”とか、“森はどうやってイメージする”とか……それは写真を見せてできることではありません。みなさん、びびりながらも面白がってくれています。

 今回はテレビアニメで映画並みのことをやろうという意気込みでやっています。通常のテレビアニメは映画じゃないから、色(カラー)を変えてもいいのは3シーンくらいまでなんですけど、この作品は4、5シーンは多いんです。それに、僕はカットバックやシーンバックでも色を変えちゃうので、師走の最中、必死に作業をしていますよ。

 Cygamesの皆さんも理解があって……10年後見ても面白いもの、何度見ても面白いものを作ろうということで企画が立ち上がり、声をかけていただいたので下手な作品は作れないという意気込みはありました。今回初めてお付き合いさせていただいているMAPPAのプロデューサーもデスクさんも、かなり熱意を持って仕事をしてくれています。というのも、「さとう監督の求めている演出に対して、これは違う」というのを、現場のスタッフさんのほうが理解してくれていて「これ、違いますよね」とリテイクして制作してくれているんです。こんなにスゴイヤツらはなかなかいないなと思います(笑)。もちろん、私からもリテイクは出してますが。

――音響も、今回は池さんが全話に劇判をつけるというこだわりようです。

さとう (池さんとは)もう10年近い付き合いなので、だいたい阿吽の呼吸でやっています。いつも第3話くらいまでが自分にとってはパイロットフィルムで、4話か5話以降になると、ある程度趣味がわかってもらっているので次第に何も言わなくてもいいようになっていきますね。

 それでも毎週、会って話しています。睡眠時間を削って(音楽を)作っていただいて感謝しているんですが、一回作ったものを彼は「重過ぎるかも」と言って「やめよう」ということもあります。私自身が、一回作ったものに無理を言うこともあります。ストリングスがどうのこうのとか……。いつも音楽では感情線が見えるか否かの話をするので「切ないメロディーで行くか、やはり派手な方向に切り替えようか」といったアレンジは、ギリギリまでやっています。

――通常のアニメーションの収録とは違い、実写に近いように感じます。

さとう 私は、収録時はギチギチに尺を決めてやらないんです。それに、実写と同じく、収録してみて「このセリフはいらない」と思ったらバッサリと外すこともやります。


■「10年後見ても面白いものを作る」そのこだわりの背景

――そうした作品制作を実現できる背景として、今回の作品が製作委員会方式ではなく、ものすごく予算が潤沢だというイメージを持っているのですが、実感としてはいかがでしょうか?

さとう 「予算が潤沢だなぁ」と思わせていただいたのは……2話まででした(笑)

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――その理由は?

さとう 潤沢なんでしょうけど、現場は変わらないですよね。結局、「何が潤沢か?」ということ。例えば、制作期間がものすごく長いとか、CGのカットが1話数について150カット使えるとか……。結果を言いますと、スタッフさんの拘束にも限界はありますから、そんなに綺麗にはいきません。どんなに良いスタッフさんを用意しても、一人ができることには限界がありますからスケジュールがタイトになってくると同じですよね。でも、スタッフのみなさんにも「尻すぼみにはなりたくない」という意地があるでしょう。だから、12月は意地の月間です(笑)

――いよいよ、最終話の完成に向けて意地で最後まで突っ走るわけですね。

さとう 池頼広氏もそうですが、もう「負けまい」という意地ですね(笑)

――やはり、それだけスタッフを熱くさせる作品の力としか思えません。

さとう これが終わったからといって楽な道は、どこにもないんですけどね。また、きっとどこかで修羅場の道を組んでしまうと思います(笑)。

――一日のスケジュールはどのくらいなんですか?

さとう 平均睡眠時間は4~5時間です。

――人間、そんなに頑張れるものなんですね。

さとう いえ、頑張らないほうがいいです(笑)。でもね、プロデューサーも含めて最後V編(註:ビデオ編集。最終的にテレビ放映用の尺にする作業)があるんですけど、ここでミラクルを見せてくれるんですよ。スタジオの箱の中に入って20時間くらいいるんですけど、最後はすごい絵になる。このミラクルはクセになるけど……やっちゃいけない(笑)。

――誰も文句をいいませんか?

さとう MAPPAの大塚プロデューサーは怒ってますけど……(笑)。でも彼も最後は「もっとこうでしょう!」と現場に率先して修正指示を出しています。

――監督の思いに皆さんが素直に応じているんですね。

さとう それでも空気は読みながらやっています……V編の段階に撮影しなおすこともありますが。

――最後に、この仕事が終わったら、やりたいことを教えてください。

さとう 犬の散歩! なんてな。
(取材・構成/昼間たかし)

■『神撃のバハムート GENESIS』
http://shingekinobahamut-genesis.jp/

■さとうけいいち
 映画監督。『鴉 -KARAS-』『TIGER & BUNNY』、 映画『アシュラ』、 実写『黒執事』『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』など実写、アニメと幅広い分野で力をみせる。

ついに最終回を迎える『神撃のバハムート GENESIS』 さとうけいいち監督を直撃!のページです。おたぽるは、catインタビューアニメアニメ業界事情MAPPAさとうけいいちインタビュー神撃のバハムート GENESISの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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