声優業界とコンテンツ業界に一石を投じる!? 新形態の声優事務所「コトリボイス」の狙い
コトリボイス公式HPより。

 近年のアニメ人気によって、声優を目指して専門学校に通う声優志望者が急増。いまや“声優の卵”は約30万人といわれている。しかし、現役声優は1万人前後であり、その中でも声優業だけで生活できるのはわずか3%。ほんの一握りの声優だけが脚光を浴びる裏で、日々のアルバイトで生計を立てる無名声優が数多く存在しているのだ。

 こうした現状の中、2014年9月16日、またひとつ新たな声優事務所が誕生した。株式会社コトリボイス──「コストパフォーマンスに自信アリ」を謳う「音声制作のプロフェッショナル集団」らしい。事務所のサイトには所属声優の情報が一切掲載されておらず、ただ純粋に「声」を売っている。

 アイドル声優がもてはやされる昨今において、時代に逆らうように現れたコトリボイスとは、いったいどのような事務所なのか? 設立の経緯やビジネスモデルについて、同社代表取締役社長・子吉信成(ねよし・のぶなり)氏(37)に詳しい話を伺った──。

■「声優のキャリア支援」と「良質なコンテンツを世の中に増やす」

──このたび、新しく声優事務所「コトリボイス」を設立されたとのことで、おめでとうございます。

子吉 ありがとうございます。

──「声優事務所設立」だと現役声優や事務所関係者が独立して立ち上げることが多いですが、コトリボイス設立の経緯をお教えください。

子吉 もともと私は、ゲーム関係を中心としたサウンドクリエイターだったんです。しかし、才能のあるアーティストやクリエイターたちと一緒に仕事をするうちに、彼らをサポートしたり世の中に紹介するポジションの人がもっと必要だと感じるようになりました。それを自分がやってもいいんじゃないかと。

 その後、たまたま知人が立ち上げたコンテンツ制作のベンチャー企業に呼ばれ、コンテンツのディレクションやプロデュースを担当しました。その中で、音声収録の現場にも足を運ぶようになり、次第に若い声優さんたちと接するようになりました。みんな本当に熱心で、声も良いし演技も素晴らしい。しかし彼らの多くは「仕事がない」と困っている。実力はあるのに仕事がない……これはもったいないと思いました。

──若手の声優たちを支援したい気持ちが、コトリボイスの設立につながった?

子吉 設立の理由はもうひとつあります。私はコンテンツ制作の現場でマーケティングやプロデュースの仕事をしていますが、中小の制作会社から「作品に音声を入れたいけど、予算が足りない」といった話を頻繁に耳にするようになりました。音声を手軽に導入することができれば、よりよいコンテンツを作ることができます。そこで「声を入れたい制作会社」と「仕事をしたい声優」という両者をマッチングさせる仕組みを整えよう、と。要するに「声優のキャリア支援」と制作会社さんのお手伝いを通じて「良質なコンテンツを世の中に増やす」こと。これがコトリボイスのゴールです。

■「大手の2~3割」の低価格を実現したビジネスモデル

──「声優のキャリア支援」と「良質なコンテンツを世の中に増やす」とのことですが、具体的にコトリボイスの強みとは?

子吉 当社の主な事業は「音声素材の制作・編集」「声優マネジメント」です。大手事務所出身の若手声優を中心にえりすぐった7名が在籍、それぞれ異なる特技を持っていて、どんなジャンルや世界観にも対応することができます。

 その中でも収録した音声ファイルの納品が中心で、大手音響制作会社の2~3割程度という低価格を実現しています。例えば、ゲームキャラクターの音声制作の相場は大手では100ワードでも10万円近いこともありますが、これを当社では19,800円から受注しています。

──なぜそのような低価格で?

子吉 それを実現できる仕組みを作ったからです。大手さんと異なるのは「設備費」と「人件費」。例えば、音響制作会社は自社で録音スタジオを所有しています。この施工費や賃料、メンテナンス費用は当然、料金に上乗せすることで回収されます。

 一方で当社の場合、自社でスタジオを所有せず、かつて某大手レコード会社が利用していた小スタジオと契約を結んでいます。個人で手に入らないようなビンテージの機材が揃い、プロのエンジニアがメンテナンスを行っている。これが大幅にコストを抑えつつ最高品質の音声を提供できる大きな理由です。

 人件費についても、フルタイムの社員は置きません。必要な時に必要なだけスタッフを集めて業務を行います。「相場の2~3割」と聞いて「声優に支払われるギャラが少ないのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。この仕組みは固定費が安いのでキャッシュフローが健全、もちろん無借金経営です。利益を大きく上乗せする必要がないと、大半を役者とスタッフに還元することができるんです。

■声優にとって“いいとこ取り”の仕組み

コトリボイスさんに「おたぽる」用音声を作ってもらいました!

──声優にとって、コトリボイスに在籍するメリットはどんなところですか?

子吉 声優にとっては、いいとこ取りの仕組みにしたいです。フリーのように個人でいくらでも仕事をして構いません。小さな仕事は自分一人で、もし大きな仕事があればコトリボイスに持ってきてくれればいい。メンバー間で仕事を融通し合えるような“フリー声優の互助会”みたいなものができればと。

 クライアント様のなかには「法人しか相手にしない」という会社も多い。社内規定で決まっていたり、何かあったときに責任を取れないフリーランスという立場そのものが敬遠されることもあります。こうしたケースでも、当社を通せば仕事ができます。

──フリー声優の営業活動は、それほど難しいのでしょうか。厳しい言い方をすれば、声優自身に問題があるとも考えられます。

子吉 まあ、そもそも多くの声優事務所は独立後を想定していませんから。(多くの声優は)請求書の書き方も知らないし、ましてやセルフプロデュースなんて不可能でしょう。特殊な業界だからというのもありますが、同世代の社会人に比べて知識不足は否めません。当社では声優のキャリア支援も大きなテーマです。外部の専門家を招いたワークショップを定期的に開くことなども検討しています。

 加えて、ディレクションや進行管理、音声編集など、私が行うプロデュースと音響以外の役割は、将来的には在籍声優に任せるようにしたいです。生活のために本業と関係のないアルバイトをするより、関連業務で報酬を得た方がいい。スタジオワークの経験は、本業である声優の仕事にフィードバックされると思います。また、ディレクターが同じ声優目線で演者とディスカッションできるなど、高いクオリティの実現にも役立っています。

――声優自身がディレクションをするというと、音響監督も務めるベテラン声優・三ツ矢雄二さんを彷彿とさせますね。ただ、そういった兼務について、クライアントから難色を示されたりしないのですか?

子吉「そんな会社に依頼できない!」と言われたら仕方ないです(笑)。当社のサンプルボイスや実績、条件や見積もりなどを見てご判断いただければ構いません。ビジネスですしね。

■「声優業は“芸の道”!」長く続けられる環境を整える

──近年、声優業界では“アイドル売り”も散見されますが、コトリボイスは声優の写真を載せず、サンプルボイスのみを出しています。これには何か意図があるのでしょうか?

子吉 これはマーケットの問題です。コンテンツに有名声優を起用することで、プロモーションに利用できるという側面があります。しかし中小のコンテンツ制作会社は、職人的な心情が強いケースもあります。純粋にクオリティを求めているだけで、声優個人のネームバリューを求めてはいないんですよ。むしろ、自分たちが精魂込めて作り上げたコンテンツが声優の名前で売られるような手法に眉をひそめている方が多い。

──誤解を恐れずに言えば、御社は声を“道具”として提供しているように見えますね。

子吉 会社の目的は、まさにその通りです。良質なコンテンツを世の中に出すためのお手伝いがしたい。あくまでも音声とは、その中のひとつの要素でしかありません。

 声優のアイドル化やタレント化が悪いとは、まったく思いません。しかし、声優業をビジネスとする手法として「アイドル化しかない」という現状には疑問を抱きます。

 コトリボイスは、音声がコンテンツを構成するひとつの要素であるからこそ、「声優業は“芸の道”であるべき」と思っています。アイドル売りは新鮮さが大切な要素なので、寿命が短い。しかし芸とは長い時間をかけてこそ磨かれていくもの、声優さんには可能な限り長く仕事を続けてほしいです。

■このビジネスモデルが成功したら、ぜひ真似してほしい

──コトリボイスのビジネスモデルは、実現できれば本当に素晴らしいと思う一方、大変失礼ながら、音響制作もできて本業のある子吉さんだからできるビジネス……というより慈善事業に近いような印象を受けます。ただ、ビジネスとして成り立てば、今後御社のモデルで追従する会社が増える可能性もありますね。

子吉 もともと「声優のキャリア支援」と「良質なコンテンツを世の中に増やす」ことが目的ですからね。モデルの追従は、大歓迎です。当社のビジネスモデルがうまくいくなら、どんどん真似してください。もっといろんな人が、いろんなやり方を試していいと思うんですよ。この業界に限った話ではありませんが、どんな生態系にも多様性が大切でしょう。

 もう一つ、現在の声優業界で、アマチュアとプロが未分化な点が気になります。「ネット声優」と呼ばれる方や、サークル活動をしているアマチュアの声優さんが増えています。そのような楽しみ方も声優文化の大切な一面ですが、プロの仕事は全く違います。特に若い声優の方は、先の長い人生について考えて、社会人として、プロとして高い意識を持ってほしい。もちろん、そうした意識を育むことは業界の責務であると考えています。

──最後に、コトリボイスの当面の目標をお聞かせください。

子吉 現在のメンバーに、毎月一定の金額を稼がせることです。今は高い額を支払うのは難しいですが、経済的な自立の助けになる金額は確保できるようにしたいですね。

 最後に、おそらく業界の方は私の話を聞いて「いいね」と「ダメだろ」に分かれると思います。応援してくださる方へ、これから世の中にもっとイイモノを増やすため一緒にがんばりましょう。そして「ダメだろ」と思われた人へ。私はこの業界では素人なので、実は何がまずいのか、よくわかっていません。ぜひに教えていただきたいので、ご連絡いただければうれしいです。どうぞ、皆さんこれからコトリボイス社をよろしくお願いいたします。
(取材・構成/おたぽる編集部)

■コトリボイス
http://kotori-voice.jp/

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