――「島根にパソコンなんてあるわけないじゃん」。2000年公開のアニメ映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』のセリフが面白がられる中、04年、実際に島根県でパソコンを使って制作された“あるショートアニメ”がネットを中心にヒットした。島根県に暮らす赤貧の黒人家族をコミカルに描いた『菅井君と家族石』。この作者はFROGMAN、今年3月に東証マザーズに上場した映像コンテンツ制作会社・DLEの取締役でもある。【後編】ではDLEのビジネスについて、深く話を聞いた。

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■インターネットの普及と制作環境の変化 コストカットの先に広がるビジネスチャンス

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FROGMANさん。

 ゼロ年代が終わって10年代も中盤に差しかかり、インターネットの普及とパソコンや制作ソフトの安価化という後押しによって、アニメの個人作家が注目を集めることは、すでに過去のこととなっている。FROGMANさんがビジネスとして個人制作の先を見据えることができたのは、『菅井君と家族石』を制作する以前、映像業界にいたことに起因する。

FROGMAN「そこまで大それたことをやってるつもりはないんですけど、個人作家というか小さく映像を作って大きくしていくというのは、デジタル時代のコンテンツビジネスの1つの指針ですかね。僕はその当時(04年)はマイクロプロダクションって言ってましたが、盛んにウチの会社(DLE)で言ってるのは、“ファストエンターテインメント”です。

 インターネットが出てくるまでは、テレビや映画の業界で働いてて、作った映像はテレビ局に通さなきゃいけない、映画の配給会社に通さなきゃいけない。そのハードル管理が個人のレベルでは絶対に無理で、会社絡みでやって数千万円から数億円を使わないと全国に映像を映すのは無理だった。それがインターネットを使えば、貧乏人だろうが中学生だろうが、誰でも映像を流すことができる。すごい画期的だなぁと思いました」

 しかし、ファストエンターテインメントに至るまでの経緯は、ビジネスの側面からも試行錯誤が少なからずあった。

FROGMAN「ただ、そんな時代になってきた時に、映画を作ってたプロのプロダクションがインターネットに載せるための映像を作れるかって言ったら、絶対作れないんですよ。作るのに割が合わない。プロのプロダクションは、CMなんかでも15秒で数千万円かけるわけです。そんな連中がインターネットのために映像を作ったって、ビジネスとして採算が合わない。

 じゃあ、どういう人たちがインターネットの映像を作るのかって言ったら、個人とか小人数とか、プロの人たちが業態を変えて作るしかない。そこに僕らは目をつけて、じゃあ“早く・安く・フットワーク軽く”と、ひとつの方法論を作るために注目したのが、Flashだったんです。一個人がシナリオからスケジュールから絵を描いて……ってスタイルが通用するというのを、この10年で証明できたんじゃないかな。実際にそのスタイルで作るスタジオも出てきましたし、Flashじゃないにしても、今までみたいにヘビーデューティーに作るんじゃなくて、デジタルのいいところを上手く活用しながら、コンテンツとしてはポテンシャルの高い作品が増えてくると思います」

 ゼロ年代に個人作家が注目を集めたのは、Flashでの制作に限らず、1人で何役もこなして完パケをすることが可能となったことにあった。ただしそれはあくまでも表面的な部分であって、基本的に長引く不況による制作のコストカットという側面と合わせて大っぴらに語られることはなかった。翻って現在は、映像そのもので利益を生み出すことが非常に困難になっているため、映像は制作費よりも広告や宣伝にかかるコストの代替という考え方にシフトしている。

FROGMAN「インターネットが普及して、地方から東京や大阪の大都市のテレビ局を通さずに、映像をダイレクトに届けることができるようになった。YouTubeもそうなんですけど、そうなるとコンテンツの作り手は無数に広がっていって、みんなが気付いたのは『地方はランニングコストが低い』ということ。しかもこうやってお金かけずにチマチマ作っていても、地方ってみんな知らないことばっかりで、コンテンツの宝庫じゃないですか。『島根県って、法事の日にパンを食べるなんて!』って。それだけでコンテンツになるネタが、まだまだ全国にはいっぱいありますよ」

 ちなみに「法事パン」にはバリエーションがあり、あんパン、饅頭、ケーキなどがある。

FROGMAN「島根で映像をやろうと思った大きな理由って、そこ(地方の強み)なんですよ。東京でやったら意味ないなって思って。元・映画畑の人間やテレビをやってた人間が、『面白いものを作った』って言ったら『ああそれはあり得るよね』って。島根みたいに『パソコンなんてあるわけないじゃん!』って言われたとこから、『まさかそんなデジタルコンテンツが出てくるなんて』というのは気を惹くし、テレビニュースで取り上げたくなるネタじゃないですか。『地方で、こんなことやってますよ』というのは、案の定、いろいろなところが興味持って取材してくれましたし。『してやったり』というといやらしいんですけど、そういう戦略を描けるようになったのが、2000年から2010年のITの世界の流れなんじゃないかなと。僕はそれにうまく乗ることができたなって、結構思ったりしますよ」

 こうして当時のFROGMANさんは島根で仕事を得ることに成功した。『秘密結社 鷹の爪』と同時放送していた『古墳GALのコフィー』は、もともとCMサイト内で公開していた作品だった。現在でも確認できる当時のFROGMANさんの仕事としては、例えば松江SATY東宝(現:松江東宝5)がある。サイトのトップムービーには、『鷹の爪』の「レオナルド博士」の原型となるキャラクターも登場している(外部参照)。

上場で問われた『鷹の爪』の今後 FROGMAN、人生の転機となった『菅井君と家族石』から10周年インタビュー!【後編】のページです。おたぽるは、アニメアニメ業界事情DLEFlashFROGMANインタビュー秘密結社 鷹の爪の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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