※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

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トリドリ恋歌(白泉社)

「月刊IKKI」などに連載されていた『スキマスキ』(共に小学館)の実写映画化も発表されているマンガ家・宇仁田ゆみ。青春のチクリとした痛さを描くことで定評のあるマンガ家だが、10月に発売された『トリドリ恋歌』(白泉社)は、チクリどころではない様々な思いで胸を突き刺してくれた。

 この単行本は、白泉社の「楽園 Le Paradis」とそのウェブ増刊に掲載された、「こうかん法則」シリーズ、「カラカラレンカ」シリーズとその続編「道草っぷり」の三作品を収録したもの。

 それぞれ、いろんなモノが胸に突き刺さる恋愛模様を描いているわけだが、中でも「こうかん法則」と「道草っぷり」は、特に痛い。

「こうかん法則」は、友人とお互いの彼女連れで飲みに行ったら、友人と彼女がデキてしまった男子学生を中心に据えて描く物語だ。多くの作家はここから陰鬱な物語を描くのだろうが、宇仁田は違う。なんと「なんで止めてくれなかったの!」と怒鳴り込んできた友人の彼女(元カノ)と、主人公の学生が付き合うことにしてしまうのである。しかも4人とも同じ大学に通っているので、学内で顔を合わせると気まずいどころか、唖然。そこから付き合ってみると、「こっちのほうがしっくりくるじゃないか」と思うように至るわけで、物語はハッピーエンドへと向かうのだ。

 後半では、親友+元カノのほうの物語も描かれるのだが、やっぱりこちらもハッピーエンド。いや、リアルに考えたら卒業するまで4人の間にビミョーな感じはぬぐえないだろう。世の中、元カノ・元カレにバッタリと出会って平常心でいられる人なんて少ないんだから。そこを超ポジティブな話にまとめていける宇仁田の物語を生み出す力には「賞讃」の文字しか浮かばない。

 連載された8話+描き下ろしで構成される「道草っぷり」も、やっぱり登場人物たちの妙なポジティブさが伝わってくる。地方都市を想起させる舞台で描かれるのは男女の幼なじみの幼稚園時代からの話。一話ごとに、子どもらしき無邪気な関係、微妙に意識してしまった自分を否定する中学・高校時代、そして、物語は成人後から42歳までの二人のビミョーな関係を描いていく。

 最終的には人生色々だったけど、二人は結婚してハッピーエンドかと思ったら、違う。描き下ろしの「その後」で描かれるのは、結婚したけど主人公は地元で、ヒロインは東京で仕事しているのに結婚だけはしているという関係だった。そんな男女関係の継続方法があったのか! と、フィクションに気づかされるとは思わなかった。そして、そのフィクションはヒロインを使い、現実に対してこんな言葉を投げかける。

「わたしは19年、ヨシタカなんか23年だよ? 大卒の新入社員が生まれた頃から働いてんだよ?」

 この言葉が本当に重い! 40代の読者はリアルに重いだろうし、いよいよ人生の先が見えるか、絶望のまま永遠に続くことを覚悟した30代後半あたりの読者にとっても重い!

 子育てマンガを描きながら、こんなサラっと重いマンガも描けるなんて……宇仁田ゆみは全部読んで、人生設計の参考書にしたいと思った。
(文/ビーラー・ホラ)

30代以降が読むと危険!? 人生設計の参考にしたいマンガ家・宇仁田ゆみの『トリドリ恋歌』のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ作品レビュートリドリ恋歌宇仁田ゆみの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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