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(撮影/髙橋明宏)

 恐怖漫画界の巨匠・楳図かずおが映画監督デビューをした。デビュー作『マザー』は、楳図監督自身を主人公に、母との関係性を描いたホラー映画。楳図かずお漫画のおどろおどろしい世界を、楳図本人が映画でどう表現するのかと思ったら、強烈な恐怖の世界をエンタテインメントとして成立させ、怖いけれど楽しい仕上がりになっている。その監督デビュー作『マザー』の裏話を、楳図かずお監督に語ってもらった。

――楳図監督の映画監督デビュー作、拝見させていただきました。怖いのですが、同時にとても楽しい作品でした。映画を監督することになったのはどういった経緯があったのでしょうか?

楳図かずお監督(以下、楳図)怖いけど楽しいと言ってもらえるのが一番ありがたいので、うれしいです! 映画監督の話は前からいただいていたのですが、これまでは実現には至らなかったのです。今回は旧知のプロデューサーから依頼があって、わりと急な話だったのですが、自分自身は心の準備ができていたので、焦ることなく映画監督の仕事に向き合うことができました。

――『マザー』は楳図監督自身のお話ですよね。自分の話にしようと思ったのはなぜでしょうか?

楳図 監督デビューをするにあたり、いろいろ考えたんですよ。完全に虚構の世界にするよりも、この映画を見てくれる方のためにも世間と共通する特徴を持たせたいと。そのためには自分の話を描くのが一番いい、母と息子という世間一般に共通する世界の中で、オリジナリティが出せると思ったのです。

――片岡愛之助さんが楳図かずお役というのには驚きました。主役のキャスティングは?

楳図 周囲のスタッフと相談して決めました。最初、僕の中に歌舞伎の役者さんをキャスティングする考えはなかったのですが(笑)、スタッフに愛之助さんを薦められ、ノホホンとしているところが僕と愛之助さんは似ているからいいかなと(笑)。愛之助さん、最初は役作りにとまどっていましたねえ。だから僕は愛之助さんの楳図かずおを演じてくださいとお願いしました。これはドキュメンタリーじゃない、作り話ですから、僕に似せる必要はありませんからね。

――以前、楳図監督がクリエイターには俯瞰で物を見る目が必要とおっしゃっているのを読んだのですが、今回、映画を作るにあたって、そのあたりは意識されましたか? 

楳図 そうですね、まず映画はお話ありきなのですが、そのお話作りをするときも俯瞰で物語を見る目を忘れずにいました。のめり込むのも悪いことじゃないんですよ。ただのめり込みすぎると作品の世界に埋没してしまい、普遍性を失ってしまうのです。お客さんに狂気に走りすぎているとか嘘っぽいとか思われてしまうのはよくない。そこは監督として気になる部分なので、『マザー』を製作しているときものめり込んだあと、一歩後ろに引いて全体を見る……という感じでやっていました。

マザー (小学館文庫)

マザー (小学館文庫)

こちらはノベライズ版。

恐怖漫画界の巨匠・楳図かずお、78歳で映画監督デビュー! 母との深い関係を描いた映画『マザー』を通して創作の秘密を語るのページです。おたぽるは、catインタビューマンガ&ラノベ漫画インタビューマザー楳図かずおの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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