Kindleでも読める30年前の名作プレイバック 第12回

――今から30年前以上前、そう僕らが子どもだったあの頃に読みふけったマンガたちを、みなさんは覚えていますか? ここでは、電子書籍で蘇るあの名作を、振り返っていきましょう!

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(イラスト/村田らむ)

『アシュラ』は1970年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載されたジョージ秋山のマンガだ。

 このマンガのテーマは、人類最大のタブー、“人が人を食べること”である。
 
 人肉食には2つのパターンがある。

 1つ目は、人肉に特別な思い入れがあって食べるパターン。佐川一政がオランダ人を食べた『パリ人肉事件』などはもろにあてはまる。宗教儀式で食べたり、薬効をもとめて赤ちゃんの死体を食べたりするのも、このパターンだ。

 2つ目は、ほかに食べるものがないので、仕方なく食べるパターン。遭難して人肉を食べたり、飢饉による飢餓で人肉を食べる。趣味趣向はなく、しかたなしに人の肉を食べる場合だ。

『アシュラ』では、2つ目のパターンが描かれている。舞台は平安時代であり、猛烈な飢餓のシーンから始まる。

 死屍累々、腐った死体が転がる描写が10ページ以上続く。少年誌ではもう2度と見ることがないであろう地獄絵図である。18ページ読み進めて、ようやく生きた女性が登場する。やっと出てきたマンガ的キャラクターだけど、もろに狂っている。

「ガハハ ガハハ」と笑いながら人肉を食べて、犬のションベンを飲む。しかも妊娠している。人肉を滋養にして、子供を産む。出産後は乳をやって育てるが、それでも食べる物がなくなってしまい、飢餓のあまり、子供を火にくべる。

 その悲惨な子供が主人公、アシュラである。

 ……数あるマンガキャラクターの中でも、屈指の悲惨な産まれである。死んだ母親から生まれて、育ての親に売春をさせられてたベルセルクのガッツですら、いい生まれに思えてしまう。

 奇跡的に生き延びた子供は、やっぱり死体を食べながら、残酷な時代を生き抜いていく。

 1話目から強烈すぎる内容だったため、1話目が載った「週刊少年マガジン」は全国的に有害図書指定され、未成年の販売が禁止された。ジョージ秋山は『アシュラ』の直前に、これまた大問題作の『銭ゲバ』を「週刊少年サンデー」で書いていたところだったということも、問題が大きくなった一因だったと思う。

 しかし、そんなに大問題になったのに、2014年現在子供もふくめて誰でも読めるようになっている。
 そればかりか、『アシュラ』は2012年にアニメ化されているし、『銭ゲバ』は2009年に映画化されている。本当にひどい内容だったら、たかだが40年で処置が変わるとも思えない。騒がないでもいいことで、大騒ぎしただけである。

 発禁だの有害図書だの騒いでる連中は、今も昔も、しょうもない人たちなんである。(拙著『こじき大百科』が発禁になってるから言ってる訳ではないよ!!)

飢えと殺人と人肉食が繰り返される……日本の少年誌ではもう見られないであろう『アシュラ』が描いたもののページです。おたぽるは、cat連載マンガ&ラノベ連載アシュラトラウマ名作プレイバック村田らむの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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