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出版労連が主催した院内集会の様子。

 6月3日、児童ポルノ法改定の審議開始を前に、日本出版労働組合連合会(以下、出版労連)主催による院内集会と法務委員会所属議員への要請行動が行われた。急遽開催が決まったためか、出版労連のサイトでの告知は直前の掲載となり開催日時も錯綜したが、30名あまりが参加した。

 さて、会場に着いて驚いたのは「一人で回れますか?」と言われたこと。なにかと思えば、集会参加者は手分けして行われる議員会館の各部屋への要請行動要員もやってもらうことになるのだとか……聞いてないよ! 筆者は取材ということでお断りを。本来ならば集会の後に要請行動なのだが、時間の都合があり先に要請行動をしてから集会という変則的な展開になる。

 まず、要請行動を前に出版労連の前田能成氏より、今日の要請のポイントの説明が行われる。法務委員会での慎重な審議を求めるのが、今日の要請の根幹だ。説明の後、取材者以外は要請行動に参加する。法務委員会の全員を回るのかと思いきや、時間と人数の都合で、野党を中心に回ることになった。

 要請行動を終えて12時から集会が始まる。冒頭、上智大学新聞学科の田島泰彦教授が、法案審議の現状を報告する。

「(児童ポルノ法改定案は)確かに改善された。創作物の規制の手がかりとなる部分は取り除かれた。さらに、この間、問題になった(児童ポルノの)定義の部分が限定的になった。民主党が考えていた案の一部“ことさらに児童の性的な部位~”。もう一つ、従来から本来の目的を超えて規制してはならないという部分で、学術研究・報道の自由への配慮が追加されている。さらに、所持のところに一部限定と思われる規定が入った」

 しかし、そういう改善が本質的に妥当かどうか疑問は残ると、田島教授は批判する。

「定義が限定されたとしても範囲が広い。“学術研究や報道の自由を侵害しないよう”としても除外するという規定にはなっていないので、実務的に意味があるとは思えない」

 特に除外規定についても、田島教授は特定秘密保護法の報道に関する規定よりも意味がないと批判する。最後に田島教授は「過度な妥協をせず、今後慎重な審議が行われるように働きかけていかなくてはならない」とまとめた。

 続いて発言した、みんなの党の山田太郎参議院議員は「FAXとかメールとか、かなり過激にやった人もいるようですけど、若い人の働きかけで創作物への規制を外すことができた」と、運動の成果を述べる。その上で、まだ残されている問題について説明をする。

「個人を守るための法律なのか、社会を守るための法律なのか、グチャグチャ。私は、(児童ポルノ法は)不本意に写真を撮られたなどの行為から個人を守るための法律だと思う。しかし、それらが混ぜられた上にマンガやアニメまで制限されようとしている」

 そして、山田太郎議員は「最近ヤバいのはコスプレ」だという点にも触れる。

「現在の法律だと、肌を過度に露出したコスプレイヤーが写真をアップすると、(コスプレイヤー自身が)被害者であり加害者になってしまう可能性もある。こうした点も改善していなくてはならない」

 その上で山田議員は、今後も「徹底的に論戦として攻めていきたい。質疑を残すことであらゆるリスクを排除しておきたい」とした。

 集会では、このほかにも日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)からも発言があった。いよいよ審議入りに向けて、審議の中でどれだけ範囲を限定するための発言を引き出し、記録できるかが今後の重要なカギになっている。
(取材・文/昼間 たかし)

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